2018年 7月 19日 (木)

世界同時株安が直撃 年金資産大幅目減り

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   米国の金融危機が世界中に「飛び火」して、株安が加速している。2008年10月8日の東京株式市場の日経平均も952円下げて9203円と、とうとう1万円を割った。経済に悪影響を及ぼすとされる株価の下落。厚生年金と国民年金、企業年金の1割が目減りしたとしても、20兆円超が吹っ飛ぶことになるのだから大変だ。

07年度の運用利回りはマイナス10.58%

   株価下落は、株を持っている人にとって「資産価値の下落」になる。たとえば、1000円の株価が500円になれば、その資産は半分に目減りしたことになる。株で運用している年金資産も例外ではない。

   年金資産はかつて、安全性の高い資産に重点投資する規制があったが、1997年12月に撤廃されて市場運用の割合を年々高めてきた。厚生年金と国民年金の給付財源となる年金積立金を管理・運用している年金積立金管理運用独立行政法人によると、現在の運用資産額は122兆9935億円。このうち、国内株式が12.22%、外国株式9.28%、財投債を除く国内債券が47.35%、外国債券8.29%の割合で運用。合わせて94兆8805億円を市場で運用している。

   2008年3月末現在の企業年金の資産残高は約81兆円(信託協会調べ)。また、企業年金連合会が全国の厚生年金基金と企業年金の約1300を対象に実施した運用実態調査によると、年金資産のうち国内株式が23.49%、外国株式16.23%、国内債券24.94%、外国債券13.09%の割合で運用していて、07年度の運用利回りはマイナス10.58%だった。

   企業年金連合会は、解散した企業年金などの原資を引き継いで運用しており、その資産は11兆7661億円(2007年度末)。内訳は、国内株式が23.2%、外国株式20.9%、国内債券34.2%、外国債券19.0%の割合で運用している。07年度の運用利回りはマイナス9.91%と、単年度でマイナスとなった。

国内株式、外国株式、国内債券、外国債券のすべてマイナス

   07年度は、夏以降にサブプライム問題の影響で株価が急落。その影響で運用利回りも下がった。企業年金連合会の場合で、06年度と比べて1兆4282億円目減りしたことになる。同連合会は「マイナス分は運用でカバーしなければならない」というが、このところの株価暴落が追い討ちをかける形だ。

   企業年金など約140社のコンサルティングを手がける格付投資情報センター(R&I)が発表している08年4~9月の市場インデックス騰落率をみると、国内株式が9.55%マイナス、外国株式が10.89%マイナス、国内債券0.39%マイナス、外国債券1.18%マイナスのどれもマイナスになった。

   9月末(暫定値)時点ですでに国内外の株式でマイナス10%に落ち込んでいるし、株価下落とともに、08年下期はまだまだ落ち込む可能性がある。

   仮に、年金積立金管理運用が運用している約122兆円と企業年金の約81兆円の1割が目減りしたとしても、20兆円超が吹っ飛ぶことになるのだ。

   最近の企業年金のなかには「日本版401K」と呼ばれる確定拠出型(積立額が決まっていて、将来受け取る年金額が運用実績で変動するタイプ)年金を実施している企業もある。個人の責任で株や債券などの市場運用を勧めていて、株価下落は将来受け取る年金資金を減らすことになる。株式や債券の運用を高めれば、株価急落のときの影響を受けやすい。

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