2024年 5月 6日 (月)

危機的状況!新潟米 「復権」にコシヒカリ一辺倒見直し

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   お米の最高級ブランド「新潟産コシヒカリ」の売れ行きが伸びないことに、新潟のコメ農家が努力不足を指摘され、猛省を促された。「米どころ日本一」の座を北海道に奪われ、地盤沈下が進んでいる中で、「『コシヒカリ』の評判に安住している」と、JAグループ新潟政策提案研究会が異例ともいえる自己批判を展開する答申をまとめた。新潟米の「復権」に、コシヒカリ一辺倒を見直すという。

不景気で消費者が「安さ」に走る

   最高級ブランド米の「コシヒカリ」をもってしても、新潟県は「日本一の米どころ」の座を北海道に明け渡した。農林水産省によると、2008年産米の収穫量で新潟米は64万4100トン。北海道米64万7500トンとは、わずかの差ではあった。

   JA新潟中央会のJAグループ新潟政策提案研究会は、新潟米の売れ行きが落ちている理由について、「景気悪化もその一つ」と話す。

   「安くて、おいしい」と評判の北海道米は、業務用での売上げの伸びが目立つ。「新潟産コシヒカリは家庭食が中心なので、いまの景気悪化がなおのこと響く」という。

   農水省の「米穀価格調査」では、2009年2月分の平均小売価格は、「北海道産ななつぼし」が10キロ3611円。「宮城産ひとめぼれ」で4275円。これが「新潟産コシヒカリ(一般)」になると、10キロ5093円で、さらに「魚沼産」になると7203円に跳ね上がる。

   北海道産との差が約2倍となると、おいしいことはわかっていても毎日のことだけに消費者も躊躇してしまうだろう。

   新潟米にはコシヒカリより割安な「こしいぶき」もあって、こちらは比較的好調に売れているそうだ。

5年後には新ブランドも

「新潟のコメは地盤沈下で危機的状況にある」
「他の産地が必死で努力してきたなかで、コシヒカリにあぐらをかいている」
「いま、対策を打たないと、極限のない縮小スパイラルに陥る」

   研究会事務局は「もちろん、コメ農家が努力していないというわけではないんです」と話すが、研究会の委員らの言葉は辛らつで、JA新潟中央会に猛省を促している。

   答申では課題も明らかにされ、そのポイントは「価格と味のバランス」と指摘している。まずは、お米の味を均一にする規格の統一。コシヒカリは暑さに弱いこともあり、「昨今の地球温暖化の影響もある」とされる。それによって、県内産地によって「おいしさ」に違いが出てしまう可能性が高まっている。

   そのため、「できるだけ味に違いがでないよう、バラツキをなくして『おいしさ』を統一して消費者に届ける努力が必要」(事務局)という。

   お米の品質の「差」が改善されれば、北海道米のように業務用としてのニーズにも多く応えられるとみている。

   もう一つは品種改良。こちらは北海道米に大きくおくれをとった。北海道米は「きらら397」や「ななつぼし」、さらに08年秋には「おぼろづき」と「ふっくりんこ」を投入するなど、品種改良に成功し、お米のバリエーションも増やした。

   新潟米も、08年から県をあげて品種改良に取り組んでいるが、新たなブランド米を立ち上げるには、「少なくとも5年はかかる」と話す。

   コシヒカリ一辺倒を見直して、「割安で、おいしい」新たなブランド米の開発、生産に力を入れていく。

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