2024年 5月 4日 (土)

世襲議員の抵抗必死 自民党の「世襲制限」本当にできるの?

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   世襲議員が4割近くを占める自民党内で、「世襲制限」を次期衆院選のマニフェスト(選挙公約)に加えようという動きが持ち上がっている。世襲を検討している議員も多いなか、当然、反発の声もあがっている。はたして、公約として掲げることはできるのか。

党の覚悟のほどを国民に示す必要がある

   2009年4月13日、自民党の選挙対策副委員長・菅義偉衆院議員は都内の講演で、「自民党も身を切っていると思われないと選挙には勝てない」と危機感を示し、具体策として両親から選挙区を受け継ぐ「世襲」の制限や、国会議員の定数削減などを挙げた。この後、党内から反論が出たが、菅議員は20日の講演でも改めて、「党の覚悟のほどを国民に示す必要がある」と「世襲制限論」を引っ込めなかった。

   一方、麻生首相は15日、官邸で記者団に、「立候補は被選挙権を得た人ならどなたでも、ということになっている。制限はなかなか難しい」と慎重な姿勢だ。河村建夫官房長官は20日の記者会見で「立候補の自由、選挙の自由がある」として法規制は難しいとの見解を示している。

   また、21日午前閣議後の記者会見でも、「世襲議員」から異論が相次いだ。小渕優子少子化対策担当相は「世襲だから良い悪いではなく、仕事の内容を見てもらいたい」とし、鳩山邦夫総務相も「党の内規で決めることはできるが、法律を作れば必ず違憲判決が出る」。金子一義国土交通相も「意味のある議論ではない」と反発の声が大きい。

「地盤」と「カバン」はすぐにでも改革すべき

   毎日新聞が08年10月18日と19日に実施した、国会議員の世襲についての全国電話世論調査によると、「世襲は避けるべきだ」との回答が48%、「有権者が選ぶのだから問題ない」が44%と、賛否が分かれている。ただ、懸賞サイト「チャンスイット!」で09年1月20日まで行われた「世襲で好ましくないのは?」というアンケートでは、投票総数2554票のうち「政治家」との回答は67%(1735票)と、「世襲は悪くない」との回答9%(246票)を大幅に上回っている。

   政治家のデータベース「ザ・選挙」を公開している、市民記者によるニュースサイト「JANJAN」の運営会社「日本インターネット新聞」の竹内謙社長は、「そもそも『政治家』は、独立して国民の信を問うべきで、世襲すべき性格のものではない」とし、世襲により「新陳代謝が働いていない」ことが要因で政治家の質の低下を招いている、とも指摘する。

「特に『地盤』と『カバン』はすぐにでも改革すべき。『職業選択の自由』を盾に反対する議員もいるが、親の『地盤』から出馬しないなど選挙区を変えること。また、『カバン』と呼ばれる相続税のかからない政治団体の資金に関しても、これを引き継げないようにすべきです」

   また、自民党内から反対の声が上がっていることに関しても、「七光りを利用しながら務めている議員がそういう声を上げているのでは」と批判的だ。

   では、「世襲制限」がマニフェストに盛り込まれる可能性はあるのか。

「自民党内の問題で、難しい面もあるが、同党も半分以上の議員は世襲ではない。国民からも賛成される政策だと思われる。人気取りのアドバルーンでは仕方がないが、実現に向け、おおいに頑張ってもらいたいところです」

と話している。

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