2018年 7月 19日 (木)

コンビニにも「値下げ競争」の波 「タスポ」効果消え、どうなる客足

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   消費不況で小売り業界の不振が続く中、大手コンビニエンスストア各社の2009年2月期決算は軒並み増収増益になった。たばこ自動販売機への成人識別カード「タスポ」が08年春から導入された影響で、たばこをコンビニで買い求める客が増えたおかげだ。ただ、「タスポ効果」も前期限りの追い風。消費の本格的な改善傾向が見えない中、客足維持の重い課題を背負う各社は、あの手この手の対策を練り始めている。

セブン・イレブンは日用雑貨をスーパー並みに値下げ

   「生鮮食品の販売も売り上げに寄与したが、タスポの影響がこれほど大きいとは思わなかった」。業界2位、ローソンの新浪剛社長は決算発表の記者会見で、たばこと一緒に飲料などを買う「ついで買い」の恩恵を率直に認めた。

   5社で唯一の減益となった5位のミニストップは、タスポの導入が7月からと他地域より2カ月ほど遅かった首都圏中心の店舗展開のため、効果が限定された。阿部信行社長は「7月以降も客数は増えたが、タバコだけを買う人が半分を占め、他の商品を一緒に買ってもらう努力が足りなかった」と総括する。たばこを買い求める客への「訴求力」がコンビニの業績の明暗を分けた形だ。

   今、各社が必死で取り組んでいるのが「タスポ」後の集客力をどう維持するのかだ。

   業界首位のセブン・イレブン・ジャパンは4月14日から、洗剤や練り歯磨きなど大手メーカー製の日用雑貨31品目をスーパー並みに10%前後値下げし始めた。狙いは、従来、コンビニに馴染みが薄かった高齢者や主婦層を取り込むことだ。

105円惣菜の品ぞろえを増やすローソン

   流通業界の「値下げ戦争」を先導してきたイオングループは、スーパー「ジャスコ」主導で開発した低価格のプライベートブランド商品「トップバリュー」の商品をミニストップの一部店舗にも導入し、「コンビニ値下げ競争」に参戦する。

   ローソンは、105円惣菜の品ぞろえを増やし、顧客志向の変化を先取りする。新浪社長は「景気が悪くなるとお客様にも時間のゆとりができ、店内をゆっくり見回る時間が増える。そこで、弁当1個ではない"買い合わせ"需要を喚起したい」と「弁当プラス1」に期待をかける。

   一方、3位のファミリーマートは、コンビニ本来の「便利さ」を重視する戦略。今後3年で駐車場のある郊外の店舗200店にコイン精米機の設置を進める計画。食の安全意識の高まりから、自ら精米する人が増えていることに目をつけた新たな集客策だ。

   コンビニ業界では顧客志向の変化に機敏に対応した品ぞろえやサービスの拡充が勝敗のカギになっている。このため、資金力などに劣る業界下位を中心に、再編の動きが広がる可能性もある。

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