2024年 4月 26日 (金)

関空トップ人事 国交省の天下り「復活」の理由

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   関西国際空港を管理・運営する関西国際空港会社の人事が注目されている。同社は2009年6月24日の株主総会と取締役会で、村山敦社長(71)が相談役に退き、後任社長にパナソニック副社長の福島伸一氏(60)を充てる人事を決定する。初の民間出身社長として一定の成果を上げた村山氏もパナソニック出身で、関空は2代続けて旧松下から社長を招くことになる。しかし、今回の人事で特筆すべきは、国土交通省OBの天下り復活だ。現在の宮本一会長(77)が相談役に退き、後任に元国土交通事務次官で関西電力顧問の岩村敬氏(64)が就任する。関空がマスコミなどの批判を覚悟で、時代に逆行する天下り人事を行うのは、「お上頼み」でなければ生き残れない同社特有の事情があるようだ。

「アジアのライバル空港と勝負できない」

   03年に就任し、初の民間出身社長として注目された村山氏は、民間企業の経営感覚を取れ入れ、不採算事業の抜本見直しに取り組んだ。その結果、05年3月期に単年度で経常黒字を達成。05年3月期から4年連続で増収を果たすなど、「民間出身」らしさをアピールすることに成功した。

   しかし、どうにもならなかったのが有利子負債の圧縮だ。94年開港の関空は、大阪湾の沖合5キロ地点の埋め立てで滑走路を造成し、空港ビルや連絡橋を整備した。その巨額費用は民間である関空会社が政府や民間からの借り入れや社債発行などで賄った。しかし、その返済は遅々として進まず、村山社長の経営手腕を持ってしても、有利子負債を03年度末の1兆2494億円から08年度末の1兆1175億円に圧縮しただけだった。

   「関空がこの有利子負債を抱える限り、アジアのライバル空港とは勝負ができない」というのが、関空会社の言い分だ。事実、関空の着陸料は、国際線1着陸当たり57万円。成田空港と中部国際空港の45万円に比べても高く、韓国・仁川の17万円、上海・浦東の18万円と比較するまでもない。「このままでは永久に借金の返済に追われ続けるしかなく、着陸料の引き下げで反転攻勢に出ることもできない」と、関空関係者は指摘する。

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