2018年 7月 18日 (水)

学生確保に「大学」必死 授業料値下げや減免奨学生

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   大学が授業料を値下げしたり、免除したりする制度を充実させたりしている。不況がらみで注目する保護者や受験生も多く、問い合わせも多いようだ。

   日本福祉大学(愛知県知多郡美浜町)は2010年度入試で、昨今の厳しい経済状況を踏まえて、「経済援助学費減免奨学生」を募集することにした。リハビリテーション学科介護専攻を除く学部生に対し、初年度前期授業料の半額を減免するというものだ。家計状況が特に厳しい人を対象として、100人を募集。入試前に事前申し込みし、合格発表と同時に審査結果を公表するとしている。

甲子園大学は授業料値下げに踏み切る

   甲子園大学(兵庫県宝塚市)ではホームページ上に大きく、「平成22年度から授業料値下げします」と告知している。入学金が全学部で5万円、学費は栄養学部栄養学科では15万円、栄養学部フードデザイン学科は25万円、値下げする。さらに、看板学部の栄養学部への入学者には、10万円の特別奨学金を支給するという。

   入試広報課は「(授業料値下げは)昨今の経済状況によるところが大きい。学生の確保も狙いです」と話している。とりわけ栄養学部では実験や実習が多いために、他学部に比べて学費がやや割高という事情もあった。

   また、前出の日本福祉大学では2010年入試で、家計状況を加味して学費を減免するAO入試を行った。ユニークなのは家庭や家計状況、居住地に関する条件を付したことだ。児童養護施設等の入居者、要介護認定や障害者認定を受けた者との同居、3人兄弟、過疎地域に住む者など、いずれかに該当するとした上で、意欲ある学生を対象とした。

   担当者は「意欲の高い人に入学して欲しいのが狙い。とくに過疎地域を条件にしたのは、福祉の課題が中山間地にあるという考えから。別の条件は経済的に負担が大きい家庭への配慮を考えたためです」といい、福祉大学らしい意義があるようだ。

私立大学の7割が特待生入試行っていた

   大手予備校の河合塾・教育情報部は「奨学金などを通じて学費を免除する動きは広がっている」と指摘する。河合塾の調べによると2010年入試では、私立大学の399校が、奨学金にからむ特待生入試を行っていた。これは私立大学の7割にあたる数で、10年前の約4倍だった。その上で、担当者は「大学側の話によると、最近は奨学金に関する保護者からの問い合わせが増えているそうです。また、大学案内にも奨学金や給付制度の説明は大きく取り上げられています」と話していた。

   一方、東京大学の場合は2008年、世帯の給与収入が400万円以下など、一定の条件にあう学生に対して、授業料を全額免除する制度を開始し、話題を呼んだ。奨学厚生グループは「授業料免除の仕組みは従来もありましたが、その基準や算出の仕方を明確にすることで、対象者は誰なのか、わかりやすくしました。入学説明会でも質問が増えました」と話している。2009年度後期の実績では学部学生の763人が利用したという。前の年に比べて約100人増えたという。

   教育事情に詳しいジャーナリストの石渡嶺司さんは、授業料値下げや免除、などの動きについて、「昨今の景況感も大いに関係しているでしょう。(入学金や授業料を)払いたくても払えない家庭があり、しかも奨学金が得られるのは入学後の6月頃。入学までにお金を用意できないため、地方の受験生では地元志向が根強かった」と指摘している。一方で、大学側には優秀な学生を確保できるメリットがあるとしている。

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