2024年 4月 29日 (月)

新聞配布にフリーダイヤル廃止 JALのケチケチ「コスト削減」

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   経営再建中の日本航空(JAL)で、様々なコスト削減策が進んでいる。「ワインの容器をペットボトルに切り換える」「客室乗務員(CA)の手荷物を減らす」といった、燃料の節約を目的にしたものがある一方で、年明けには、「エコノミークラスの新聞配布を取りやめる」といった取り組みも始まり、乗客にも影響が出始めている。それぞれのコスト削減効果は、多くても、せいぜい「数千万~数億」といったところだが、「出来るところから少しずつ」といったところのようだ。

   取り組み自体は、経営危機が本格化する前から進んでいる。例えば、09年8月6日には、エコノミークラスの一部の便で、ワインの容器を瓶のものからペットボトルのものに切り換えた。ペットボトルの重さは22グラムで、従来の瓶に比べて7分の1。この「ペットボトルワイン」、すべての国際線路線に搭載されている。

ペットボトルワインで年約3000万円の経費節減

「エコジェット」では、日中に日よけを降ろしたままにする試みも行われた
「エコジェット」では、日中に日よけを降ろしたままにする試みも行われた

   現段階では在庫の瓶入りワインが出されることがあるが、エコノミークラスですべてペットボトル入りに切り替わった場合、年に約3000万円の経費節減効果を見込んでいる。気になるのが「見た目が安っぽいのでは」という点だが、同社では「実物は、かなり格好いい。お客様からは好評です」としている。

   加えて、09年7月には、昼間の18便について、到着後に日よけを降ろしたままにする試みを行ったところ、空調を使う時間を1便あたり23分減らすことができたという。この18便だけで、約725キロのCO2の削減につながったという(金額ベースでの削減効果は非公開)。この取り組みは、国際線では4路線で実施されているほか、国内線でも2010年4月1日から、同様の取り組みが行われるという。

客室乗務員の手荷物の軽量化も

   それ以外にも、(1)エンジンの洗浄(2)機内食用スプーンやフォークの軽量化(3)客室乗務員(CA)の手荷物の軽量化(4)燃費の良い着陸方法に変更、といった燃料節約のための細かな取り組みが行われている。

   だが、コストカット策で、利用者に影響も出始めている。10年1月5日には、一般予約電話のフリーダイヤルと、国内線普通席、「クラスJ」と国際線のエコノミークラスでの新聞配布サービスの廃止に踏み切った。逆に言えば、新聞サービスが継続されるのは国内線ではファーストクラス、国際線ではビジネスクラス以上に限られる。この二つのサービス廃止は、全日空(ANA)と足並みをそろえる形で、それぞれ数億円のコスト削減効果を見込んでいる。JALでは、フリーダイヤルの廃止については「最近はウェブ経由の予約が増えて、電話はかなり減っていた」と、影響が小さいことを強調するが、新聞サービス廃止は、利用者の利便性低下につながることは否めない。

   もっとも、JALは2010年3月末時点で8000億円を超える債務超過とみられており、債務超過の規模からすると微々たるものだが、これらの取り組みについて、JALは「細かいものの積み重ね」としており、出来ることから少しずつ経費削減に取り組みたい考えだ。

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