2024年 4月 24日 (水)

「サプリ」「健康食品」 子どもの1割が使用している

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   ビタミンやミネラルといった「サプリメント」や「健康食品」を使っている子どもが1割を占める――こんなデータが発表された。現代の豊かな食生活では特定の栄養素を過剰に取り入れる可能性があり、体内に蓄積されるものもある。また将来どのような影響が出るのかわかってないこともあり、安易に使うのは危険だと専門家は訴えている。

   帝京大学薬学部医療薬学の斎藤百枝美(もえみ)准教授らが0~16歳にサプリメントと健康食品の使用状況を調べたところ、回答が得られた1198人のうち131人(10.9%)が使っていることがわかった。年齢別では3~4歳が14人ともっとも多く、0歳から使用しているケースも見られた。

少しでも不安や疑問を持った場合は薬剤師に相談

過剰摂取の危険もある
過剰摂取の危険もある

   種類別ではビタミン類の利用者が60人で、内訳はビタミン(種類不明)が19人、肝油(13人)、ビタミンC(12人)など。次いでミネラル類が38人で、内訳はカルシウム(19人)、鉄(11人)など。複数のサプリを併用している子どももいて、4種類が最大だった。

   親が与えている場合がほとんどで、「健康によい」(38人)、「普段の食事で足りない栄養を補う」(35人)といった理由だ。一方で、こうしたサプリは子どもへの投与を前提に作られていないことが多く、代謝や排泄機能が十分ではない子どもには細心の注意が必要だという。

   また、過剰摂取も問題になっている。ビタミンA、D、E、Kの「脂溶性ビタミン」は尿で排出されず、体内に蓄積してしまう。カルシウムは摂りすぎれば高カルシウム血症による嘔吐、腎結石などの症状が出ることもある。

   斎藤さんは、

「多くの情報がある中で正しい判断をするのが難しい場合もあると思います。少しでも不安や疑問を持った場合は薬剤師に相談して下さい。また病院にかかっている場合は飲み合わせによっては薬の効果が減少することもあるので、医師に何のサプリ・健康食品を使用しているのかを伝えて下さい」

と話す。

   また中学生以上になると自らの判断でダイエットをサポートするサプリを買っていることもあり、学校でも教育の必要があると見ている。

子どもにとって安全なのか、そもそも必要なのか

   独立行政法人国立健康・栄養研究は以前から子どものサプリ摂取に注意を呼びかけている。幼稚園、保育所に通う幼児の保護者を対象に行った調査で、1533人の幼児のうち15%がサプリを使っていることがわかった。08年に実施し、09年4月に発表した。またアメリカでは3~5割の子どもがサプリを使っているという報告があり、日本でも今後増えることが懸念されている。

   最近は「子ども用」「子どもでも利用できる」とうたったサプリが通販サイトで数百種も売られている。ところが子どもにとって安全なのか、そもそも必要なのか、などわかっていないことだらけだ。

   国立健康・栄養研究所の情報センター長、梅垣敬三さんは、

「ハーブや植物エキスは体にいいイメージが先行していますが、植物のどの部分を抽出したのか、実態は謎です。また成分が濃縮されているので簡単に過剰摂取してしまいます。今は問題がなくても、将来、子どもの体にどのような影響を与えるのかわかっていませんし、安易に使うのは危険だと思います」

といっている。

   また梅垣さんによると、学歴が高くて高収入の親ほどいろんな情報を調べて、サプリを子どもに与えているケースが目立った。

   ネット上でも子どものサプリ使用に関する書き込みが見られる。

   5歳の息子が頭痛、腹痛、気持ち悪いと身体の不調を訴えている、と投稿サイト「発言小町」に10年1月23日に書き込まれた。病院で検査したところ、鉄分が足りず貧血気味のために起こるのではないかと診断された。医師にサプリメントを勧められたが、夫はサプリを飲む前に食生活や生活習慣を変えることが先だと言って反対し、困っているようだ。

   一方、コメント欄には子どもにサプリを与えているという投稿が複数見られた。「私の主治医もアトピー持ちの子供にサプリメント(亜鉛、鉄、ビタミン)を勧めました。結果、肌の調子は全く変わり、かなりいいです」「うちは上の子が偏食でよく熱が出ていました。下の子も2歳頃から肉と魚しか食べなくなってしまったのではじめたのですが、2人とも熱が出なくなりました」など書き込まれている。

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