2024年 4月 29日 (月)

小麦高騰、ロシアが輸出禁止 日本国内「行き過ぎ」と批判 

穀物大国・ロシアの信用ガタ落ち?

   小麦価格の高騰は2007~08年にも起こった。このときは世界的なバイオ燃料の原料としての穀物需要が増大したことや投機マネーの流入、また豪州の干ばつが原因だった。

   2008年2月のCBOTで1ブッシェル12.8ドルの最高値を記録。同年4月期の政府の売り渡し価格は1トンあたり5万3270円から6万9120円に引き上げられた。これがさらに10月期には7万6030円にまで上昇。パンや麺・パスタ類の価格もそれに伴い値上がりしたのは記憶に新しいところだ。

   こうした中で、ロシアに対して厳しい批判の声が漏れはじめた。ある製粉業者は、「農作物なので豊作や飢きんは仕方ないし、国内需要の余剰部分が輸出されるのだから増減があるのも仕方ない。しかし、輸出禁止はない。(08年の)豪州の干ばつも酷かったが、さすがに輸出禁止にはしなかった」と話す。

   また、ある輸入商社は「穀物大国であるロシアの動向は、それだけで注目される。輸出禁止の発表が小麦の価格上昇を過剰に刺激した」と、さらなる価格上昇を懸念する。

   農水省の関係者は、「米国や豪州は輸出国との信頼関係を重視していて、輸出禁止などありえない。ロシアは国策として穀物輸出を積極的に行っていくことを表明しているのに、止めてしまうのだから、ビジネスをわきまえていないとしか言いようがない」と不快感をあらわにした。

   ロシアの信用は大きく揺らいだようだ。

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