2024年 4月 19日 (金)

トヨタとホンダが新興国向け専用車開発 現代やタタの格安車に対抗

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   トヨタ自動車とホンダがインドなど新興国向けの小型車を開発し、現地で相次ぎ発表した。これまで日本の自動車メーカーはトヨタ・ヴィッツ(欧州名ヤリス)やホンダ・フィット(同ジャズ)など、日本で開発した小型車を世界共通のグローバルカーとして各国市場に投入してきた。

   しかし、韓国の現代自動車に加え、インドのタタ・モーターズなどの格安車が新興国市場でシェアを拡大するにつれ、トヨタやホンダも装備を簡略化し、現地の安価な部品で組み立てた新興国向け専用車で対抗せざるを得なくなったというわけだ。

排気量1.5リットルで約92万8000円から

   トヨタは2010年12月1日、インドのバンガロール市内で、インド向けに開発した小型車「Etios(エティオス)」を発表。インド全国の販売店で受注を開始した。トヨタは「インド現地で直接、お客様の声を聞き、多くのインド人技術者とともに約5年をかけて開発した」と説明。排気量1.5リットルのガソリンエンジンを搭載。部品の現地調達を徹底し、店頭価格は49.6万ルピー(約92万8000円)からという。

   トヨタの豊田章男社長は現地で「インドでも、トヨタならではの高品質のクルマを、より多くのお客様にお届けしたいとの思いでエティオスを開発した」と力説。トヨタが得意とする「良品廉価」を体現し、「インドの荒れた路面でも柔らかい乗り心地」と「壊れにくい高品質のクルマ」を実現したという。

   ホンダは2010年11月30日、タイのモーターショーで、2011年にタイとインドで発売を予定しているアジア向け小型車「BRIO(ブリオ)」のプロトタイプを公開した。こちらもトヨタエティオス同様、「新興国市場で需要が高まっているエントリーカーとして、タイ、インドそれぞれのお客様のニーズを反映したモデル」という。

スズキや現代は約37~56万円の価格帯

   ホンダの伊東孝紳社長は「ホンダがこれまでアジアにおける二輪事業で培ってきた経験を生かしてコンパクトで高効率なパッケージングの小型車を提供し、アジアのより多くのお客様にモビリティーの楽しさを広げていきたい」と語った。ホンダは鋼板をはじめ、現地調達の材料や部品を多数採用。販売価格はタイで40万バーツ(約111万円)前後だが、インドでは50万ルピー(約93万円)以下に抑えるという。

   インドの乗用車のシェアは、進出が早かったスズキが47%を占めてトップ。現代が16%、タタが13%、米GMが5%、米フォードが4%などと続き、トヨタ、ホンダはともに3%で、現代やタタの後塵を拝している。

   インドのタタの最安モデルはナノの14万ルピー(約26万円)で、スズキや現代は20~30万ルピー(約37~56万円)の価格帯で続く。これに対して、トヨタのカローラは現地で200万円もする高級車で、「インドでは高すぎた」という。

   トヨタやホンダのエントリーカーが90万円台で購入できるのは魅力的だが、エンジンや内装など細部が日本仕様と異なる。このため、トヨタは「インド向けに開発したエティオスを現時点では日本で販売する計画はない」という。

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