2024年 4月 26日 (金)

スマートフォン主役はアンドロイドへ シェア首位獲得も時間の問題か

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   国内で急速に人気が高まってきたスマートフォンで、米グーグルが開発した基本ソフト(OS)「アンドロイド」のモデルが存在感を発揮している。

   携帯通信大手3社はそれぞれ、アンドロイドモデルを開発、年末商戦の目玉として投入した。「お財布機能」をはじめ、日本がこれまで培ってきた技術を取り入れた機種も出るなど、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」には見られない魅力で利用者増を狙う。

メーカーに無償提供、独自性がカギ

「アンドロイドケータイ」が続々と登場
「アンドロイドケータイ」が続々と登場

   デジタル家電のランキングサイト「BCNランキング」によると、2010年11月の携帯電話ランキングは、「au」ブランドのKDDIのスマートフォン「IS03」が首位に立った。4か月連続トップだった「アイフォーン4」を、アンドロイドOSの機種が阻止したことになる。

   2010年前半は、タブレット型の多機能情報端末「iPad」やアイフォーン4を立て続けに発売したアップルが主役だったが、後半になると携帯電話メーカー各社は「反撃」とばかりに、アンドロイド機種を一斉に投入し始めた。韓国サムスン電子製「ギャラクシーS」が快調なNTTドコモは、年末向けにシャープ製の「リンクス」やタブレット型の「ギャラクシータブ」を発売。アイフォーンを販売するソフトバンクモバイル(SBM)も、新製品の「ガラパゴス」などアンドロイド端末の品揃えを厚くしている。

   グーグルはアンドロイドを無償で提供しているため、国内、海外問わず採用するメーカーが増えているようだ。メーカーにとっては独自でOSを開発するのに比べてコストを安く抑えられるメリットがある。一方で、基幹部分のOSが他社製品と同じになるので、別の部分でいかに特色を出せるかがヒットのカギになりそうだ。例えば「ギャラクシーS」は、有機ELを採用した鮮やかなディスプレーや、優れたデザイン性が消費者に受け入れられた。「IS03」のように、従来の携帯電話で人気だった「お財布機能対応」や「ワンセグ」を取り込んだものや、3D映像を見られる点をセールスポイントにするモデルもある。個性を出さないと、次々と登場するアンドロイド端末の中で埋もれてしまわないとも限らない。

アプリの品質にジョブズ氏が辛らつコメント

   既に米国では、アンドロイド搭載機種のシェアがアイフォーンを抜いた。米調査会社ガートナーが2010年11月10日に発表した、10年7~9月期の世界の携帯電話販売台数に関する調査結果によると、スマートフォンのOS別シェアでは、アンドロイドが25.5%で全体の2位に躍進、アイフォーンの「iOS」の16.7%を大きく上回った。前年同期はわずか3.5%だったアンドロイドは、他のOSがシェアを落とす中で一人勝ちの状態だ。ガートナーは「特に北米で圧倒的な強さを誇った」としているが、今後日本を含む他地域でも本格的にアンドロイド端末が増えていけば、現在首位でノキアが採用するOS「シンビアン」を抜くのも時間の問題かもしれない。

   急成長中だけに、問題点も浮き出てきた。スマートフォンを支えるアプリケーションだ。アップルのアプリ配信サービス「アップストア」には約30万点が揃う一方、「アンドロイドマーケット」はその3分の1程度といわれている。ラインアップでは、まだまだアイフォーンには及ばない。

   品質面もたびたび指摘される。アンドロイドマーケットでは、一定の基準はあるものの基本的にアプリは無審査。誰でも開発したアプリを、マーケットを通じて販売できる。個々のアプリに厳しい審査を実施し、理由も通知せず不合格にすることすらあるアップルとは対照的だ。

   グーグルらしいオープンな姿勢といえるが、「無審査」のためかいかがわしいアプリもマーケットでたびたび見つかる。アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)が自社のアプリの健全性を際立たせようと、以前「アンドロイドには『ポルノストア』がある。買おうと思えばポルノを買える。我々は、そういうことはしたくない」といった辛らつなコメントをしたと報じられたほどだ。

   調査会社IDCジャパンが2010年12月13日に発表した、国内の10年7~9月期携帯電話市場データを見ると、メーカー別出荷台数でアップルが初めてベスト5に食い込んだ。危機感を募らせる国内メーカーにとって、アンドロイドは、アップルに対抗する強力な武器になる。

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