2024年 5月 5日 (日)

子どもに集中、パワーウインドー事故 消費者庁ユーザーに注意喚起へ

海外では防止策が防犯上のデメリットに

   もう一つの対策に、パワーウインドーの改良が挙げられる。事故を防ぐ機能を向上することだが、これはメーカーの協力なしには不可能だ。検討会でも、「窓が閉まるときの威力を弱めて、指などを挟んだ場合でもせめて被害を軽減できないか」「指を挟みそうになったらウインドーの動きが反転する装置を、すべての窓に取り付けられないか」といった提案が出された。

   メーカー側によると、現時点で技術的に実現が難しい提案が多いようだ。また自動車は海外に輸出されており、窓が自動反転する装置ができたとしても、治安の悪い国では、勝手に窓が開いてしまっては防犯上危険にさらされるといった別の不安要素が生じてしまうという。

   仮に新たな「安全対策」を施した車を生産しても、現在走っている車が入れ替わるまでには、「買い替え」の目安として10年程度は見なければならないのも、機能面の向上がすぐに問題解決につながらない悩ましさだ。

   とは言え、メーカー側が非協力的なわけではないと消費者庁は話す。これまでも、日本自動車工業会ではパワーウインドーの事故防止を呼びかける広報活動を実施しており、安全対策面でも、欧米と比べて同等以上とする調査結果もある。事故のとりまとめは今回が初めてであり、「もう少し具体的に、どんな状況で事故が起きるのかを細かく分析しないと、効果的な対策を施しようがないというのが実情」(同政策調整課)のようだ。

   当面は、車を運転するおとな自身が「意識改革」を進めることで、事故を防ぐしかなさそうだ。

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