2024年 5月 3日 (金)

高橋洋一の民主党ウォッチ
民主党の政策は間違ったまま  2011年は消費税増税の年になる

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どこへ行った「天下り禁止」

   その一方で、公務員は優雅だ。まず失業の心配がない。退職しても天下りがある。民主党政権は天下り禁止といいながら、政権をとったら抜け道ばかりを作った。自公政権下で、「裏下り」など天下り禁止の脱法を取り締まる再就職等監視委員会という組織ができたが、民主党は肝心の委員人事を野党時代も反対し、与党になっても委員人事を行わず、結局監視委員会を骨抜きにした。その一方で、6月に退職管理基本方針を作って、これまで「裏下り」とされた禁じ手を堂々と合法化した。たとえば、現役出向の制度を若手から管理職に拡大した。これは出向だから天下りといわないとは、あきれる詭弁だ。

   また、民間が大きく給与ダウンしているが、公務員給与はほとんどダウンしない。前回書いたように、ベースとなる人事院調査がおかしいのだが、わずか1.5%減だ。

   そこで、11年がどうなるか。ずばり11年は増税の年になる。それは、10年12月22日に交わされた野田佳彦・財務相と細川律夫・厚生労働相、玄葉光一郎・国家戦略担当相(民主党政調会長兼務)の合意文書で、(1)11年度は鉄建機構の剰余金(1.2兆円)、財政投融資特別会計の積立金と剰余金(1.1兆円)、外国為替資金特別会計の剰余金(0.2兆円)で賄う、(2)12年度以降は税制の抜本改革によって財源を確保する、
と書かれていることからわかる。

   これは、もう埋蔵金発掘はやめて、消費税増税という意味だ。そのために法案を11年の通常国会に提出する。増税の前にやることがあるので、増税を言うなら国民に信を問うべきだ。

   06年予算以降、毎年埋蔵金はないといいながら12月になると出てきた。今度もまた性懲りもなく「ない」といっている。はたして本当だろうか。さらに、デフレ脱却すれば、自然増収で増税は必要ない(しかも、円高や高失業率も直る!)のだが、それらをやらずに、増税だけはしっかりいう今の政権はこまったものだ。

   なお、増税が要らないことは、近著「消費税『増税』はいらない! 財務省が民主党に教えた財政の大嘘」(講談社)をごらんいただきたい。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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