2018年 11月 19日 (月)

血液の「がん」悪性リンパ腫 遺伝子検査で再発予測できる

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   血液中の特殊な遺伝子の量から悪性リンパ腫の病状の変化を予測する方法を日本の研究グループが開発した。抗がん剤が効き症状も消えて画像でもがんが見えなくなった時期に使う。患者にとっては完治したのか、再発があるのか、不安にかられる時期だ。この方法で的確に再発の可能性の有無を判断できることになれば、治療方針が的確に立てられるわけで関係者の期待は大きい。

血中のマイクロRNAを計るだけ

   開発したのは東京医科大学分子病理学の黒田雅彦(くろだ・まさひこ)教授、血液内科の大屋敷一馬(おおやしき・かずま)教授らのグループ。

   カギを握るのは、「マイクロRNA」(マイクロ・アール・エヌ・エー)と呼ばれる細胞内にある小さな断片の遺伝子。正常な細胞やがん細胞から血液の中に出てくるものだけで約300種類も知られているが、本格的な研究は数年前に始まったばかりだ。本来の遺伝子DNA(ディー・エヌ・エー)の長い鎖のごく一部の働きをコントロールする機能がある。世界中で研究が進んでいるが、まだ医療現場で役立つほどのものは出ていない。今回の成果は世界に先駆けての実用化例として注目を集めそうだ。

   悪性リンパ腫の患者は特定のマイクロRNAが健康人に比べて極端に少なく、ほぼゼロになることを東京医大グループが見つけた。治療で症状が消えると量が増える。半年以上の経過観察の結果、健康人並みの値が続いた33人はうち2人しか再発しなかったのに対し、値が低かった20人からはうち10人が再発した。

   「2、3か月ごとに検査し、再発の可能性を早めに予測するのに使えそうだ。再発が予測できれば骨髄移植など次の治療法の準備がしやすくなる。再発の可能性のない患者への過剰な治療も避けられる」と、大屋敷さんは話している。

   患者の血液2ミリリットルから血清(上澄み液)を取り、遺伝子を検査する。マイクロRNAは安定なため、検査費も1回2700円と安上がりだ。東京医大病院は当面は研究費で検査を続けるが、患者から費用を徴収できる「先進医療」への指定を望んでおり、厚生労働省への申請準備を始めている。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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