2024年 5月 3日 (金)

なぜ今共通番号導入なのか 消費税アップには避けて通れない

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「給付付き税額控除」にも番号制が必要

   また、消費税は生活必需品など所得によって消費額にそれほど差がないというように、低所得者ほど所得に対する負担が重い「逆進性」を内包している。消費税率をアップする場合、「逆進性」の影響を緩和するため、低所得者対策が不可欠とされ、「給付付き税額控除」が必要との声が強い。低所得の人には納めた消費税額の一定部分(最低限の生活に必要な消費分にかかる消費税分)を還付する制度を導入するとしても、所得税を納めていない人には所得税から差し引くことはできない。このため、納めた消費税相当額を逆に給付するのが、「給付付き税額控除」。その場合、不正受給防止には正確な所得を把握することが絶対条件で、そのために共通番号が必要というわけだ。

   こうした課題は自民党政権時代から分かり切っていたことで、それなのに番号制は浮かんでは消えた。それだけ国民の懸念が根強く、特に、政府が言うように利便性を高めれば高めるほど、不正アクセスなどで年金の給付履歴だけでなく、病歴や所得内容などの個人情報が外部流出するなどの恐れは強まる。

   政府は、6月に「社会保障・税番号大綱(仮称)」を策定、その中に情報保護対策として、(1)個人情報保護が適切に行われているかを監視する第三者機関の設置、(2)国民が自らの情報にどの機関がアクセスしたかを確認できる制度の導入、(3)不正な情報利用への罰則強化の検討――などを盛り込むとみられるが、第三者機関は、公正取引委員会のような独立した強力な権限を持つかなど、検討すべき課題は多く、「短時間で国民の理解を得るのは容易ではない」(民主党中堅議員)。

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