2018年 7月 21日 (土)

オリックス「人民元建て社債」を発行 日本企業では初めて

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   オリックスが2011年3月中にも、香港で人民元建て社債を発行する。中国国外(オフショア市場)での事業会社による元建て社債の発行は、10年8月に米マクドナルドが、同11月には米建設機械大手のキャタピラーが実施しているが、日本企業では初めてになる。

   人民元建ての金融商品は、日本国内では預金の取り扱いが中国銀行(BANK OF CHINA)やHCBCプレミアで始まったところだが、香港では預金に加えて、2010年夏からは投資信託や生命保険が発売されるなど、中国政府による人民元の運用規制の緩和とともに拡大している。

   人民元建て社債は「飲茶ボンド」ともいわれ、機関投資家など多くの購入が見込まれている。

「調達資金の多様化」狙う

   人民元建て社債の発行について、オリックスは「詳細は現在検討中だが、中国の規制緩和が進んで起債しやすくなった。調達資金の多様化の一環として考えている」と話す。

   オリックスは中国・大連市の再開発事業計画に参加するなど、中国事業に力を入れている。「香港で調達した資金の中国本土への持ち込みには規制がある」(オリックス広報部)としながらも、中国の金融市場との関係を深めることで現地事業を優位に進めたい思惑がある。

   機関投資家が主な「買い手」の対象となるので、中国での知名度アップも見込める。発行額は4億元(約50億円)程度で、期間は2~3年とされる。

   オフショア市場での人民元建て社債は2010年に、米国のマクドナルドが期間3年、2億元を年3%の表面利率で発行。キャタピラーは期間2年、10億元を年2%で発行した。

   キャタピラーの例では、調達した資金を中国当局の許可を得て中国本土に持ち込み、現地事業に充てている。同社は中国市場の建設重機シェアで7%を占め、取引の歴史も30年にわたる。国際アナリストの枝川二郎氏は、「元で調達した資金を現地取引に充てることができれば為替リスクも軽減でき、かつ現地での発言力をさらに高めることができる」と話す。

   「人民元の国際化」を目指す中国政府にとっても、「元建て社債の拡大は、ある程度歓迎している」(枝川氏)こともあり、中国事業を強化したいグローバル企業にとって魅力ある資金調達手段になっているようだ。

投資家ニーズもあって「売れる」

   中国でビジネスを展開している日系企業は多い。中国の企業融資は中国人民銀行(中央銀行)が貸出金利を決めており、現在は期間5年で年6%超とされる。これが社債だと、年2~3%で調達できる。低金利の日本円で調達して人民元に替えて送金することもできるが、手数料や為替リスクを考慮すれば、人民元で調達するほうが有利という。

   オフショア市場で発行すれば、基本的に中国政府の許可もいらない。

   一方、人民元は切り上げ期待が高く、長期的には「上昇する」とみられる。そのため、元建ての金融商品を保有したい投資家は少なくない。人民元預金が人気だが、他の元建て金融商品が増えれば、「買い手」である投資家も運用商品の多様化、分散化が図れる。

   「買い手」のニーズも旺盛なはずで、「中国に進出する欧米企業をはじめ、もっと多くの起債があってもいいと思う」と、前出の枝川次郎氏はいう。日本企業でも発行が増えそうな気配だ。

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