2024年 5月 3日 (金)

福島県は一部住民にペットボトル配布 水道水「汚染」に東京都の対応は

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   東京都は2011年3月23日、金町浄水場(葛飾区)の水道水から乳児用の規制値を超えた放射性ヨウ素が検出されたと発表した。

   都内23区と武蔵野、三鷹、町田、多摩、稲城市が対象で、乳児が水道水を摂取することを控えるよう求めている。これまでにも福島県の複数の自治体でも同様の措置がとられている。

金町浄水場以外の浄水場では規制値以下

   都水道局は、乳児用粉ミルクを溶くために水道水を使わないようにとも呼びかけている。乳児とは概ね1歳未満を指す。同局によると、金町浄水場で検出されたのは1キログラムあたり210ベクレル。食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定的規制値(厚生労働省通知)は同100ベクレルで2倍以上となっている。また、原子力安全委員会が定めた飲食物摂取制限に関する規制値は同300ベクレルで、「基本的に幼児以上はこの基準を適用」(厚労省水道課)という。

   都が水道水を採取したのは3月22日9時。3か所の浄水場で行い、金町浄水場以外の浄水場では規制値以下(うち1か所は「不検出」)だった。23日9時の金町浄水場の数値は暫定値で190と少し下がっている。都内の水道網は大きく3系統に分かれており、今回採取した3浄水場を調べれば基本的には全体の傾向を網羅できるという。

   福島県内では5自治体の水道水で1キログラムあたり100ベクレルを超える放射性ヨウ素が検出されたと厚労省が3月22日に発表した。やはり、粉ミルクを溶かすなどして乳児に飲まさないように各自治体が住民に呼びかけている。伊達市(同120ベクレル、21日)、郡山市(150ベクレル、21日)などだ。両市など3市町村は、乳児をもつ世帯向けにペットボトルなどで飲料水提供を始めた。

「規制値3倍」で飲用自粛要請の自治体も

   一方、同県の飯舘村では、「幼児以上」の基準の3倍を超える同965ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。3月21日、厚労省が発表した。福島県は住民に飲用自粛を求め、ペットボトル配布などをした。車で追加の水を同村内へ運んでもいる。同村は、一部が福島第1原発から20-30キロ圏の屋内待避地区にかかっている。

   東京ではどうするのか。枝野官房長官は3月23日、乳児がいる世帯への支援策を東京都と協議していると説明した。23日夕には都水道局へは、都民からの問い合わせが「殺到」した。「乳児ではない小さな子どもは大丈夫か」「大人の規制値はいくらなのか」などの質問が相次いだという。

   乳児用粉ミルクをめぐっては、ネット上で「ミネラルウォーターより水道水で作った方がよい」という趣旨の「子育てQ&A」を少なからず見かける。東京都による「水道水避けて」の要請を受け、「ではどうしたらいいの?」との質問も寄せられている。

   「回答」として目立つのは、ミネラルの多い硬水系は望ましくないが、軟水系のミネラルウォーターなら大丈夫、というものだ。「ミルク調乳用」とかかれた水も売っているようだ。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中