2024年 4月 29日 (月)

八百長疑惑で角界去った力士 「第二の人生」は多難

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「永久追放」されたプロ野球選手のその後

   かつてプロ野球も八百長問題で揺れた。1960年代終わりから70年代にかけて起きた、いわゆる「黒い霧事件」である。野球の試合だけでなく、公営競技も絡んだ騒動で、逮捕者も出た。プロ野球界は大物選手が何人も「敗退行為」と認定され「永久追放」された。

   球界を追い出された元選手はその後、ほとんどが「日陰げの人生」を送っている。中には流れ流れて遠洋漁船に乗り、そして亡くなった者もいた。この元選手は快速球の持ち主でエースの期待をかけられていた。

   力士は体が大きい。すぐ元の職業が分かる。野球選手と大きく異なる点だ。一般社会での生活は、自業自得とはいえ大変だろう。

「子供のころから相撲しかやっていないと思うので、一般社会の生活に慣れるのは相当の覚悟がいる。自営業に転じるのならともかく、会社勤めとなると、警備などの体を生かす仕事になるのではないか」

   ある人材派遣会社の話である。角界には「江戸の大関より地元の三段目」という言葉がある。三段目でも出身地のヒーロー、という意味なのだが、疑惑者が故郷を出た時のような環境で迎えてくれるかどうか。支援者というタニマチがどういう態度に出るか。ふる里に戻れない元力士もいるに違いない。

   「大相撲のために引退届を出した」と言った元力士がいた。この言葉を周囲がどう受け取るだろうか。角界を去った人たちは、まさにフンドシを締め直して新たな社会に臨むことしかない。

スポーツジャーナリスト 菅谷 齊

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