2024年 3月 29日 (金)

「すぐに往診してくれる体制を」―岩手県大槌町

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(12日大槌発=ゆいっこ花巻支部;増子義久)

   あの大災害からちょうど1カ月目の11日午後9時過ぎ、夜の早い避難所のしじまを破るような救急車のサイレンの音。飛び起きて階下の部屋に向かう。お年寄りの男性が布団の上で苦しそうにもがいている。救急隊員の手で担架に乗せられ、県立釜石病院へ。

   昔の漁の話を聞くなどして親しくしていた阿部山延巖さん(75)だった。家を流されたため、奥さんの洋子さん(64)と避難所生活を送っている。約20年前に糖尿病を患い、1日に3回のインシュリンが欠かせない。避難所でもきちんと注射を打ってきたが、この日は血糖値が「32」に急降下。放置していたら命にかかわる危険値に達していた。幸い、発見が早かったため、入院までには至らなかった。

   同じ避難所にいる看護婦の田中惠子さん(57)は「糖尿病患者にとって最も大事なのは食事管理。避難所生活が長引き、食事のバランスが崩れている。特に野菜不足が深刻。糖尿病のほか心臓などに持病をもっている被災者も多い」と話す。

   常駐していた大阪市立大学の医療班は10日をもって撤退。13日に自衛隊の医療班が巡回診療に来ることになっているが、その後の体制はまだ決まっていない。1カ月の節目の救急車の出動騒ぎ。医療体制の確立はまさに喫緊の課題となっている。「大阪の先生がいた時は毎日、診察をしてもらっていた。すぐに往診してくれる体制を早急に作ってほしい」と妻の洋子さんは訴えている。


(写真は救急車で運ばれる阿部山さん=11日午後9時半ごろ、安渡小学校で)



ゆいっこは民間有志による復興支援組織です。被災住民を受け入れる内陸部の後方支援グル―プとして、救援物資やボランティアの受け入れ、身の回りのお世話、被災地との連絡調整、傾聴など精神面のケアなど行政を補完する役割を担っていきたいと考えています。
岩手県北上市に本部を置き、盛岡、花巻など内陸部の主要都市に順次、支部組織を設置する予定です。私たちはお互いの顔が見える息の長い支援を目指しています。もう、いても立ってもいられない───そんな思いを抱く多くの人々の支援参加をお待ちしています。
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