2024年 4月 26日 (金)

【フクシマ 苦悩の地はいま】 どぶろく起業家千栄子さん 「がんだって笑い飛ばしてきたけど…」

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「正しい知識で安心して食べて」

   2011年は原発事故の影響で米の作付けは村全域で見合わせとなった。どぶろくは、米も指定区域内で自身の手でつくる必要がある。「避難が仮に数か月で終わって、もう地元に帰っていいよ、って言われても、その後どうすればいいの。お米ないからどぶろくは作れない」。仕込みに使う井戸水をくみ上げるポンプも震災時に大きく破損したままだ。

   これまで順調に減らしてきた借金の返済も心配だ。来年は、そして、再来年なら大丈夫なのか。別の場所で再建?無理だ……。不安は尽きない。

「原発事故に対して言いたいこと? 原発に言っても言葉は通じないしね。みなさんにお願いしたい。うちのお酒のこと、というわけではないの。福島でつくって問題なく流通しているものは、正しい知識で安心して食べたり飲んだりしてほしい。危ないものなんて流通させないから」

   飛び込み客へのどぶろく販売が精一杯で、申し込みを受け付ける電話番号を記事に掲載することにはためらいがあった。物流は問題ないが、「いつ避難を始めろって言われるか分からない状況だから」。ちなみに「気まぐれ茶屋 ちえこ」の電話番号は0244・42・1303。

   「どぶちぇ」は、ペットボトル500ミリリットル入り1050円、1リットル2100円、贈答用に同じどぶろくをビンに入れた「白狼」は720ミリリットル1600円。「ふたを開けた場合は早めに飲んで欲しい」。(文・J-CASTニュース編集部、写真・会田法行)

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