2024年 4月 19日 (金)

内柴容疑者「紫綬褒章」の行方 実刑確定なら「はく奪」

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   準強姦の疑いで逮捕された人物が過去に国から褒章を受けていたとしたら、褒章の行方はどうなるのか。

   大学の「教え子」女子柔道部員への準強姦容疑で逮捕された五輪金メダリスト、内柴正人容疑者(33)の熊本県民栄誉賞が取り消された。大学柔道部でコーチをしていた内柴容疑者は、国の紫綬褒章も受けている。内柴容疑者の褒章はどうなるのか、内閣府賞勲局へ聞いてみた。

熊本県知事が緊急会見して発表

熊本県は、県民栄誉賞の取り消しを発表した。
熊本県は、県民栄誉賞の取り消しを発表した。

   2011年12月8日、熊本県の蒲島郁夫知事は緊急記者会見を開き、同県出身の内柴容疑者の逮捕を受け、県民栄誉賞の「取り消し」を発表した。

   内柴容疑者は2004年のアテネ五輪と08年北京五輪での男子柔道金メダリストだ。熊本県は、04年と08年に県民栄誉賞を贈っていた(08年は「特別賞」)。

   内柴容疑者は、紫綬褒章も04年と08年に受けている。

   紫綬褒章は「学術、芸術、技術開発等の功労者を対象とする」(内閣府サイト)。スポーツ分野も対象となっている。褒章は年2回、春と秋に発表される。

   例えば、内柴容疑者の初回受章の04年秋には、アテネ五輪金メダリストの競泳、北島康介選手や柔道、谷亮子・現参院議員らも一緒にもらっている。紫綬褒章だけで45人が選ばれた。

   2011年秋には、サッカー女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」も代表チームとして受章した。ほかに個人24人が紫綬褒章を受けた。

   内柴容疑者の逮捕を受け、熊本県民栄誉賞の場合のように紫綬褒章も「取り消し」になってしまうのか。内閣府の賞勲局へ聞くと、「勲章ち奪令」といういかめしい名前の政令に取り決めがあるそうだ。

   ちなみに「ち奪令」の「ち」の漢字は、「衣へん」の右に「虎」を含む文字を並べる見慣れない文字だ。

執行猶予がついた場合は「情状による」

   政令によると、裁判で死刑や懲役実刑などが確定した際には、勲章や褒章は「ち奪」される、つまり返還しなければならない。

   さらに、「自分は受章者だ」と周囲に語ることも認められなくなる。「ち奪」決定は、官報にも掲載される。事実上の「取り消し」といって良さそうだ。

   内柴容疑者が関係する準強姦罪は「3年以上の懲役」と定められている。仮に実刑の有罪が確定すれば、褒章を「ち奪」されることになる。執行猶予がついた場合は、「ち奪」されるかどうかは「情状による」。

   裁判が確定すれば検察庁から内閣府へ連絡が来ることになっており、手続きは粛々と進むようだ。

   いずれにせよ、逮捕段階では動きはないというわけだ。警視庁は12月8日、内柴容疑者を送検した。「合意の上だった」と容疑を否認しているという。

   褒章や勲章が「ち奪」される例の統計はないが、関係者によると「ポツポツあるようだ」。もっとも、著名人に限れば異例といってよさそうだ。「ち奪」とは別に「自主返納」の制度もある。

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