2024年 5月 3日 (金)

巨人に杉内、ホールトン、村田・・・ 伝家の宝刀「おねだり補強」で「清武の乱」鎮圧なるか

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   なにがなんでも勝つ、とばかり巨人はまたぞろ金に糸目をつけずにFA選手をかき集めている。このやり方は長嶋茂雄監督時代に始まった。いわゆる「おねだり補強」。球団の内紛によるダメージをペナント奪回で挽回しようという、いつもながらの戦法のようである。(以下、金額は推定)

巨人の「実弾」がソフトバンクを直撃

   巨人お得意の「小切手野球」である。昨年オフに他球団から獲得した大物選手と条件は次の通り。

   ▽村田修一三塁手(前横浜)2年総額5億円

   ▽D.・Jホールトン投手(前ソフトバンク)2年500万ドル=3億9000万円

   ▽杉内俊哉投手(前ソフトバンク)4年総額20億円

   とりわけ投手の補強は満足のいくものだったようだ。ホールトンは19勝を挙げ、最多勝利のタイトルを獲得。杉内は8勝ながら防御率1.94をマーク。この2投手で25勝から30勝は見込める。

   巨人は昨年、クライマックスシリーズでヤクルトに負け、そのショックでがっくりきている頃、追い討ちをかけるような事件、清武球団代表がドン渡辺恒雄会長を批判した「清武の乱」が起きた。この一件は外部から失笑、冷笑を受けた場内バトルだった。

   加速する名門のイメージダウンに歯止めをかけるには、強力な補強をして優勝できる戦力を整えること、とばかり派手な選手獲得に走ったともいえる。こうすると納得するのが巨人ファンの特徴でもある。

   「資金が潤沢な巨人がその気になったらどの球団もかなわない」と、これまでも言われてきた。その餌食になったのが昨年日本一のソフトバンク。ホールトン、杉内という左右の主力投手をさらわれた。

   加えて和田毅投手も大リーグのオリオールズに入り、ソフトバンクは大幅な戦力ダウンとなった。おまけに杉内退団のきっかけとなる暴言を吐いた球団幹部が降格になるなど、現場もフロントもガタガタにされてしまった。「巨人の実弾攻撃に遭ったらこうなるという見本がソフトバンク」という声は的を射ているといえよう。

2008年にはラミレス、グライシンガー、クルーン獲得

   巨人は「日本一になること」が至上命令とされている。リーグ優勝では負けたのも同然、ということである。昨年まで2シーズン続けて日本一を逃し、今年も勝てないと3年連続となるので巨人にとっては一大事。それでなくとも、ここ2年間は親会社と同じマスメディア球団の中日に後れをとっている。

   過去、巨人はピンチになると大金をつぎ込んで他球団の主力を獲得し、それで急場をしのぐ戦術をとってきた。それが顕著になったのは長嶋茂雄監督時代。中日の4番だった落合博満(前中日監督)を獲得して1994年に日本一。西武のやはり4番清原和博を取って2000年と原監督になった02年にも日本シリーズ優勝と実績を残した。

   落合には在籍3年間で10億円以上を支払い、清原にも最高4億円の年俸を払っている。大金イコール日本一を証明した。この長嶋監督の補強は、「おねだり補強」と揶揄された。

   最も派手な補強は07年から08年にかけて。07年には日本ハムから小笠原道大、翌年にはヤクルトからアレックス・ラミレス外野手とセス・グライシンガー投手、横浜からマーク・クルーン投手を手中にした。彼らの契約がすごかった。

   ▽ラミレス=2年10億円

   ▽グライシンガー=2年5億円(前年年俸4000万円)

   ▽クルーン=1年で契約金5000万円、年俸3億円

   この結果、08年にはラミレス打点王、グライシンガー最多勝利、クルーン最多セーブでリーグ優勝、09年には日本一に。「30億円補強」などといわれ、他球団が指をくわえて見ていたのがこの頃である。

   ただし、この大物選手たちは、力が衰えると必ず放出される。落合は日本ハムへ、清原はオリックスへ。昨年オフにはラミレスが横浜DeNAに移った。この辺は実にドライである。

   このほか、ヤクルトのロベルト・ペタジーニ、近鉄のタフィ・ローズといった外国人の本塁打王やダイエーの左腕工藤公康らも獲得している。投資効率はともかく、チーム強化の情熱、プライドはたいしたものである。たとえ「巨人の負けない病」の処方箋と言われても、だ。

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