2024年 4月 29日 (月)

セ・リーグに東都大学ブーム到来? 6球団中4球団が東都リーグOB監督

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   プロ野球は自主トレの季節である。今シーズンの特徴の一つに、東都大学出身の監督が増えたことが挙げられる。それもセ・リーグで、実に4球団だ。これまで東京六大学出身が幅を利かせてきただけに、さしずめ「東都ブーム」といったところだ。

注目される中畑DeNA監督も駒沢大学出身

   2012年、セの東都OB監督は次の通りである。

▽ヤクルト・小川淳司=中央大
▽広島・野村謙二郎=駒沢大
▽阪神・和田豊=日本大
▽横浜DeNA・中畑清=駒沢大

   昨シーズン限りで中日の監督を勇退した落合博満は東洋大中退だから、もし今シーズンも続投すれば6球団のうち5球団が東都大学出身となるところだった。このような現象は初めてのことである。ちなみに、小川以外はいずれも現役時代は内野手だった。

   注目はなんといっても中畑。巨人時代、元気なプレーで「絶好調男」の異名をとったことは有名だ。現役最後の打席で本塁打を放つなど、とにかく目立つ。「今年のキャンプの主役は中畑だろう」とスポーツマスコミ。明るいキャラクターは曇りがちの世相を変えてくれる、と期待されている。

   親会社のDeNAはIT企業で、ゲームが主力。本業のPRを考えると、中畑起用は大ヒットである。本人もそれを意識した言動をするだろう。そのくらいの芸当はやってのける度量がある。巨人OBで、ミスタープロ野球の長嶋茂雄氏と直接話ができるのも、ことあるごとに報道されるし、原辰徳巨人監督を「タツ」と呼ぶこともできる。マスコミの露出度は抜群に高いだろう。

   あとの3人の共通項は「地味」。その中にあって小川監督の足跡は素晴らしい。習志野高時代はエースとして夏の甲子園で優勝。中央大でも主力だった。プロでは指導者として力を示している。2年前、高田繁監督休養の後を受けて好成績を残し、采配力で正式監督の座をつかんだ。

   野村は広島の主力として活躍。通算2020安打を放った「名球会」メンバーだ。ほとんど知られていないが、実は1990年代の最多安打記録の持ち主である。

   巨人と対抗する阪神を率いる和田は「いぶし銀のプレーヤー」として存在感があった。金メダルを取ったロサンゼルス五輪(公開競技)のメンバーでもあった。

通算勝利数のトップ5はすべて六大学出身

   日本のプロ野球監督は東京六大学出身が席巻してきた歴史がある。優勝監督は圧倒的に多いし、歴代勝利ではズラリと並ぶ。

1) 1773勝=鶴岡一人(法政大)
2) 1687勝=三原脩(早稲田大)
3) 1657勝=藤本定義(早稲田大)
4) 1586勝=水原茂(慶応大)
5) 1384勝=西本幸雄(立教大)

-とベスト5を独占している。

   8位にも慶応大の別当薫がいる。ちなみに6位は野村克也(京都・峰山高)、7位は上田利治(関西大)、9位は王貞治(早稲田実)、10位は川上哲治(熊本工)。

   セ、パ2リーグ制になってから東都大学出身者(4年間在学)で日本シリーズに進出した監督はたった1人。2002年、西武監督だった芝浦工業大OBの伊原春樹だ。中退では広島の古葉竹識(専修大)と中日の落合博満(東洋大)がいる。

   このほか監督を務めた主なOBは、広島・森永勝也(専修大)東映・田宮謙次郎(日大)南海・穴吹義雄(中央大)ヤクルト・武上四郎(中央大)広島・達川光男(東洋大)横浜・大矢明彦(駒沢大)オリックス・石毛宏典(駒沢大)らがいる。

   異色としては西武などの監督を務めた根本陸夫。法政大OBとなっているが、日本大に在学したことがある。

   セの残る2球団の監督は巨人原が東海大(首都大学リーグ)中日の高木守道は岐阜商業。パは東京六大学OBが2人。楽天の星野仙一(明治大)とオリックスの岡田彰布(早稲田大)。昨年の日本一ソフトバンクの秋山幸二は熊本・八代高、一昨年の日本一ロッテの西村徳文は宮崎・福島高、08年の日本一西武の渡辺久信は群馬・前橋工の出身。残る日本ハムの栗山英樹新監督は東京学芸大(新東京大学リーグ)の出身という変り種である。

   セから東京六大学を追い出した格好の東都大学OBたち。中畑監督はヘッドコーチに中央大OBの高木豊、さらに駒沢大OBの白井一幸と二宮至を内野守備コーチ、外野守備・走塁コーチに起用と、はっきりと「東都色」を出している。六大学出身監督の実績を「過去のもの」になっていくのか、注目である。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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