2024年 5月 4日 (土)

「進化」するノンアルコール飲料 女性引きつける「梅酒」も登場

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   4月を迎え、会社では新人や人事異動でやって来た仲間の歓迎会を開くケースが増える時期となった。これまでお酒が苦手な人にとっては、周りの人が陽気にはしゃぐ姿を横目に、場の雰囲気を壊さない程度にジュースやお茶を注文するしかなかった。

   だが近年では「ノンアルコール飲料」が人気を集め、ビールやカクテル、さらに梅酒とその種類も増えている。「お酒の雰囲気を味わえる」飲料の充実は、宴席を楽しみたい「下戸」にとっては朗報だ。

宴席には出たいが「授乳中」といった理由も

ノンアルコール飲料は、特にお酒に「弱い」「やや弱い」女性の間で高支持率
ノンアルコール飲料は、特にお酒に「弱い」「やや弱い」女性の間で高支持率

   2012年3月下旬、東京・銀座の韓国料理店「はるはる」は19時を過ぎると予約客でいっぱいになった。平日の夜にもかかわらず、会社の送別会や社内の親睦会の団体客に加え、女性ばかりのグループにカップルと客層もさまざまだ。

   乾杯用にと、ビールやマッコリが続々と注文されるなか、ノンアルコール飲料を頼む人も見かけた。「はるはる」ではソフトドリンクのほか、ノンアルコールビールやカクテル、梅酒をメニューに載せている。なかでも最近注目されているのがノンアルコール梅酒だ。女性店員に聞くと、「女性のお客様からの注文が増えています」という。車の運転で「今日は飲酒できない」という人よりも、もともとお酒に弱い人が選ぶケースが多いとの話で、「ひと口飲んで『おいしい』『たくさん飲める』との感想をよく耳にします」と説明する。

   この日「はるはる」を訪れた30代の女性は、普段あまりお酒を飲まない。初めてノンアルコール梅酒を口にして「ロックがおいしいですね」と笑顔を見せた。宴席ではお茶を飲むことが多いが、「飲める人」ばかりと同席したときはアルコールを頼まざるをえないという。「ノンアルコール梅酒なら、周りの雰囲気に合わせられるので、注文しやすいですね」

   一緒にいた20代女性の客は「お酒好き」だったが、ノンアルコール梅酒のソーダ割りを飲むと「口当たりが良くて飲みやすいですね」とひと言。40代男性の会社員も、ソーダ割りについて「さわやか」と感想を述べた。性別や年齢、お酒が飲める、飲めないにかかわらず味の面では高い評価を得た。

   サントリー酒類は2011年11月21~30日、忘年会事情に関するアンケート調査を実施し、1万7222件の有効回答を得た。男女それぞれの回答者を、お酒が「強い」「やや強い」「普通」「やや弱い」「弱い」に分類。「飲食店でノンアルコール飲料を飲みたいか」との質問では、「お酒に弱い女性」の72.5%、「やや弱い女性」の71.3%が「はい」と答えた。理由として、宴席には出たいが「授乳中」「お酒の気分を味わいたい」のほか「おいしいから」選んだとの意見もある。男性でも同様の傾向が見られ、「弱い」人は64.8%、「やや弱い」人で51.7%に達した。

梅酒はお酒が弱くても比較的受け入れやすい

サントリーが販売する「まるで梅酒なノンアルコール」
サントリーが販売する「まるで梅酒なノンアルコール」

   調査でユニークな結果が見られたのが、「飲食店で飲みたいと思うノンアルコール飲料」の種類だ。ビールやカクテルに次いで挙げられたのが「梅酒」だった。特にお酒が「やや弱い・弱い」女性はそれぞれ45.7%、50.0%が「飲みたい」と回答しており、人気はノンアルコールビールをしのぐ勢いだ。

   「はるはる」で話を聞いた前出の30代女性も、お酒を飲まなければならない場合は梅酒を頼むと答えていた。お酒に弱い人にとっては、梅酒はアルコール飲料の中でも比較的受け入れやすいとみられる。同店の店員の友人も飲んだ後に「梅酒みたい」とストレートな感想を口にしたという。酔う心配がないうえ、お酒を飲んでいる気分になれるのがうれしいようだ。

   現在、サントリーはこうしたニーズをくみとり、「まるで梅酒なノンアルコール」を販売している。長年にわたって梅酒を製造してきたメーカーとして、ノンアルコール梅酒でも紀州産の南高梅酒からエキスを抽出するなど、独自の製法でこだわりをみせている。文字通り、アルコール成分ゼロでありながら「まるで梅酒」と思わせる味を実現したという。

   年々拡大を続ける「ノンアルコール飲料市場」では、既に定着した感のあるビールに続いて、これからは梅酒が存在感を高めていきそうだ。

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