2024年 4月 30日 (火)

ダルビッシュ「ヨレヨレ」メジャー初白星 「おめでとうと言わないで」

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   大リーグ、テキサス・レンジャースのダルビッシュ有投手が、メジャー公式戦初登板を果たした。地元デビューを飾ったものの初回から四球を連発し、2回までに5点を失った。

   味方打線の強力援護で初白星を手にしたが、日米の野球ファンの期待とは裏腹に大荒れの内容で、次戦以降に課題を残す第一歩となった。

3回以降の投球で結果を残した

米メディアでもこの日の主役はダルビッシュ
米メディアでもこの日の主役はダルビッシュ
「ダルビッシュ有、初回乱調も勝ち星拾う」(米CBSスポーツ)
「ダルビッシュ、打ち込まれるも立て直して初勝利」(米USAトゥデー紙電子版)

   米主要メディアは、ダルビッシュのデビュー戦をこのように報じた。レンジャース入団当初から全米の注目を集めてきたが、初登板はほろ苦いものとなった。

   対戦相手は、イチロー外野手が所属するシアトル・マリナーズ。立ち上がり、先頭打者に四球を与えると、いつもの「ダルビッシュらしさ」が消えていた。3番イチローに左前打を許すなどこの回だけで被安打4、与四球3、暴投までついて打者一巡でいきなり4点を失う。続く2回もイチローに二塁打を打たれ、さらに1失点だ。この試合、イチローは対ダルビッシュ3安打と日本人大リーガーの先輩として「手荒い歓迎」を示した。

   米スポーツ専門放送局「ESPN」オンライン版のリチャード・デュレット記者はこの試合のリポートの中で、初回に投げた42球のうちほぼ半数の20球がボールで、「本人が望んだような回にはならなかった」と指摘。2回にも2ストライクからの安打を2度許し、早くもブルペンでは救援投手が準備を始めていたという。「緊張感から投球リズムがつかめていなかったようだ」と分析した。

   しかし3回は立ち直りの兆しをみせる。川崎宗則内野手が中前打を放ち、次の打者は死球とピンチを広げるが、後続を抑えてようやく無失点に切り抜ける。すると4、5回と続けて三者凡退に切って取った。その間に味方打線が大爆発して逆転、ダルビッシュは5回3分の2を投げたところで、勝ち投手の権利を残したまま降板した。先述のデュレット記者は、3回以降の投球で結果を残したことにより「自信をつけてマウンドを降りた」と考える。

「ひどく緊張している様子が分かった」とファン

   うわさ通りの「衝撃デビュー」とはならず、打線に助けられての初勝利となったダルビッシュだが、地元ファンは好意的だ。交流サイト「フェイスブック」に開設されているレンジャースの公式ページを見ると、「Thank Yu.(有に感謝)」「まだ1試合じゃないか」「いつもどおりじゃなかっただろうけど、とにかく勝ち投手になった」と励ますコメントが並ぶ。一方で「初回の彼のしぐさを見ていたら、ひどく緊張している様子が分かった」との指摘もあった。

   ダルビッシュは試合後、「体と精神がアンバランスな状態だった」と話した。ツイッターでは「調子は最悪でしたが粘り強く、気持ちも強く持って投げました」と報告。続けて「毎年最初の登板は気持ちと身体が一致せず苦労してるな~」とぼやいた。北海道日本ハムファイターズ時代も開幕戦はあまり好結果を出しておらず、2011年は7失点で敗戦投手となっている。メジャー初登板で本来の投球ができなかった事実は本人が一番身にしみているようで、ツイッターでファンから祝福の言葉をもらっても「あんなんでおめでとう言わないでください」と返信、恐縮の様子だった。

   ESPNオンライン版のジャン・ジャック・テイラー記者は、総額1億1200万ドル(約90億7200円)の超大型契約で獲得したダルビッシュが満を持して登板したが、「初回、2回は何ともがっかりだった。大熱狂とあふれる期待の中、ひどいコントロールだった」と記事の中でバッサリ。しかし「彼の能力は誰もが認めるところだ。最大の疑問点は、不調の際にどう修正するか、だった」という。これに、3回以降無失点という結果でこたえたことで、テイラー記者も「素晴らしい」と評価。「ダルビッシュは立ち直った。これこそチームにとって最も重要だった」とつづっている。

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