2024年 5月 8日 (水)

ぜんそく患者が世界で急増、2億人超えた WHOが地球温暖化の影響を指摘

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二酸化炭素の濃度上がれば花粉量も増加

   報告書によると、欧州のほとんどの場所では10~20年前と比べて草木の成長時期が早まったうえ、生育期間も長期化しているという。さらに大気中の花粉量も増加。土地の使い方が時代とともに変わり、気温や二酸化炭素の濃度も変化したことが理由とみられるが、各要素がどのように作用し合って花粉量に影響を及ぼしたかは明確になっていない。だが実験レベルでは、二酸化炭素の濃度が2倍になると、ブタクサの花粉量が6割増になったとしている。

   日本では花粉によるアレルギーというとスギを思い出すが、欧米ではブタクサの花粉がよく知られている。2011年はフランス南東部、ハンガリーから旧ユーゴスラビア一帯にかけての地域で特に飛散量が多かった。日本でもブタクサは全国で見られ、夏から秋にかけて花粉が飛散して花粉症をはじめアレルギー症状を引き起こす。

   WHOとWMOの報告書の指摘どおり、気温の上昇によりアレルゲンとなる花粉を飛ばす植物が「長生き」し、温暖化ガスが花粉量を増やす原因となるのなら、日本でも欧州と似たようなことが起こり得る。気象庁によると、日本の平均気温は100年あたり約1.15度の割合で上昇、特に1990年代以降は高温となる年が頻発している。過去25年で爆発的に増えた小学生をはじめとする子どものぜんそくと、無関係とは言えなさそうだ。

   耳鼻咽喉科の医師に取材すると、「近年は国内でもブタクサが原因でアレルギー性鼻炎を起こし、診察に訪れる患者が増えている感触があります」と話す。アレルギー症状を悪化させると「かぜやぜんそくを誘発することもある」というだけに、特に子どもにとってはいっそう注意が必要だろう。

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