2024年 4月 30日 (火)

桜宮高校、バスケ、バレー以外でも体罰は常態化 橋下市長が「小倉キャスターとのバトル」で明かす

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   大阪市立桜宮高校の体育系学科の入試中止をめぐり、意見が対立していた大阪市の橋下徹市長と「とくダネ!」(フジテレビ系)のメーンキャスター小倉智昭氏の「直接対決」が2013年1月29日、同番組内で行われた。

   「バスケ、バレー部以外でも(体罰は)常態化」「在校生も保護者も現状を『是』としている」--。入試中止に至った同校の問題点をこう指摘した上で再建への持論を展開する橋下氏に対し、小倉氏らは時折質問をはさむ程度で、両人の本格的なバトルを期待した視聴者にとって「肩透かし」の番組内容に終始した。

「体罰について在校生や保護者の多くが是としている」

   橋下市長と小倉氏の直接対決のきっかけは、13年度の体育系学科の入試中止決定を巡って小倉氏が「在校生や受験生のことをまず考えてあげるのが一番必要」と番組内で異を唱えたのに対し、橋下市長はツイッターで「(小倉氏が)実態を知らずに受験生のことを考えるべきと主張するのは間違い」と反論したことからだ。

   この日大阪のスタジオから出演した橋下市長は、午前8時25分から異例の長さとも言える45分間にわたって質問に答えた。

   「入試中止は生徒のためになるのか?」。

   小倉氏からのこの質問について市長は「絶対、プラスになります」と言明し、「私と小倉さんとの決定的な違いですが、私は入試について『体育系学科が新入生を受け入れる状況にあるのか』という1点を見ていたんです。私に(外部調査チームから)上がってくる情報を見た結果、市教委の最高責任者も『さすがにこれは受け入れられない』として中止を決めたんです」と述べた。

   市長によると、集まった情報の内容は①すでに体罰指導が発覚したバスケやバレー部だけでなく、他のクラブにも同じような体罰事案があり、常態化している②しかし、体罰指導については現在も在校生(体育科)や保護者の多くが『是』としている③運動部指導に関する校長や教頭のガバナンス(統治)は全く効いておらず、体罰事案を『隠蔽』までしていた⑤体罰指導を見ていながら教員の間に『これは間違っている』という認識がなかった――などだ。

   市長は「新しい桜宮に向かっていくんだというのを受験生にしっかり伝え、それでも学校立て直しのために頑張っていこうという生徒を迎え入れるためにも体育科という看板は1回中止にしなければいけません」と語った。

ネットユーザー「小倉氏はもっと理論武装を」

   体育科志望だった新入生や体育科在校生への今後の教育方針については

   「きょう(1月29日)市教委が決定しますが、新入生は1回普通科に入れますから従来の体育科のカリキュラムはやりません。今回の問題やスポーツ指導法のあり方を普通科でしっかり議論をして学校を建て直した後に、必要であれば再びスポーツ専門学科を創っていこうという方針になりました」

   「(体育科の)在校生についてはカリキュラムを変えたり教員を変えたりしながら、今までのやり方や自分たちの意識のどこが間違っていたのか、保護者も含めてしっかり議論してもらいます。学校立て直しの当事者として頑張ってもらいたいと思うんです」と語った。

   運動部の再開時期について橋下市長は「市教委による教員人事などの態勢づくりに加え、新たな学校方針やクラブ活動の方針が定まってから」と語った後、

   「一番大事なのは在校生や保護者、教員の意識改革なんです。クラブ活動で自殺者まで出したのに、なぜ自殺したのか、何が間違って今後どうするのかを考えず、部活再開はいつか試合はいつできるのかっていうのはまだ認識が足りないのでは」と訴えた。

   一方、小倉氏はコーナーの後半、「これから桜宮の体育科が出直そうというのなら、(入試を中止せず)新入生も一緒でよかったのでは。不可能とは思えない」と声を強めたものの、「体育科が看板の桜宮を立て直すためには1回ストップをかける必要がある」「(バスケ部などの)運動部は体育科そのもので、そこでの指導方法が間違っていたのだからカリキュラムも変える必要がある」とする市長との議論はかみ合わなかった。

   ツイッターやネットの掲示板に寄せられた意見は「小倉氏はただ感情論だから、橋下氏が何度も同じ説明をしなければならなかった」「もっと理論武装しないと橋下氏とは戦えない」といった内容が多かった。

姉妹サイト
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中