2024年 5月 6日 (月)

橋下氏、慰安婦発言するのは「自民が言わないから」 自民有力議員の「持論封印」姿勢を批判

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   日本維新の橋下徹共同代表(大阪市長)の、いわゆる従軍慰安婦をめぐる発言は、大阪市議会でも大きな批判を呼んだ。この批判に対して橋下氏が口にした反論のひとつが、「自民党がやらないから」。自民党が下野している間は、慰安婦問題について活発に発言する議員もいた。たが、確かに橋下氏が指摘するように、政権に復帰してからは持論を「封印」した状態が続いているようだ。

稲田行革相、12年8月の寄稿では「謝罪も補償も必要ではない」

   2013年5月21日の市議会では、自民党の木下吉信議員が、橋下氏の発言が国際問題に発展したことを指摘しながら

「『私の余計な一言でお騒がせしました』という謝罪の一言もないんですよ」
「一体、何様のつもりで発言されるのか」

などと非難した。これに対して橋下氏は

「『何様のつもり』と言われれば、おっしゃるとおり。ただ、僕は大阪市長であり国政政党の代表でもある。自民党がやらないのであれば僕がやる。発信する」

と反論した。

   実はここ数年は、自民党の一部議員からも活発な発言が行われていた。例えば稲田朋美行革担当相は12年8月31日の産経新聞への寄稿で、

「『慰安婦』問題については、日本の政府や軍が強制連行した事実はない、と明確に主張しなければならない。問題の核心にある『強制連行』がなかったのだから、謝罪も補償も必要ではない。当時は『慰安婦』業は合法だった」

と、謝罪する必要性を明確に否定。その上で、国際社会に対する情報発信の必要性も強調していた。

「それにもかかわらず『強制性』を認めて謝った河野談話を否定し、韓国や米国で宣伝されているような、朝鮮半島の若い女性を多数、強制連行して慰安所で性奴隷にしたといった嘘でわが国の名誉を毀損することはやめていただきたいと断固、抗議すべきである」

大臣就任後は「慰安婦制度というのは、大変な女性の人権に対する侵害」

   ところが、橋下氏の発言が出た翌日の13年5月14日の会見では、稲田氏は

「村山談話ですとか河野談話ということについては官房長官が日ごろお述べになっているとおりでございます」
「ここで私の個人的な見解を述べることは差し控えたいなと思います。安倍内閣の一員としておりますので」

と安倍内閣の一員だということを理由に持論を封印。従軍慰安婦問題について聞かれると、

「他党の代表のおっしゃることについて、安倍内閣の行革担当大臣としてはコメントすべきではないと思いますが、ただ、私はやはり慰安婦制度というのは、大変な女性の人権に対する侵害だと思っています」

と橋下氏の発言を批判すらした。5月17日の会見でも、

「前回お答えした以上のコメントはありません。あれで全てです」

と述べるにとどまった。

下村博文文科相「もう、いいかげんにしてほしい。全て決着していることだ」

   下村博文文科相も、やはり持論を封印気味だ。11年12月11日付けのブログでは、慰安婦問題をめぐる韓国からの謝罪要求について

「もう、いいかげんにしてほしい。全て決着していることだ。韓国内の政治情勢がどうであろうとも、日本政府はここで安易にひるんだり、妥協してはならない。ルールはルールとしてもう終わったことなのだ。『大人の対応を』などと、中途半端なことをしたら、日本はまさに未来永劫、韓国に謝罪し続けなければならないことになるだろう」

と突き放していた。これに対して13年5月14日の会見では、大型連休中にワシントンやロンドンを訪れた感想として

「我が国の、そういう歴史認識における発言が、相当誤解をされて捉えられているという思いを持ちました」

と断りながら、橋下氏の発言については「タイミング」について批判。第二次大戦中の慰安婦については論評を避けた。

「タイミングが非常に悪い、このときにあえてその発言をするプラスの意味があるのか、というふうに私は思いますし、沖縄での(風俗業活用を米軍に勧める)発言というのは、これはもう、党を代表した人の発言ではないと思いますね」

   韓国に対する強硬姿勢で知られてきた新藤義孝総務相も、5月14日の会見で

「一つ一つの発言について、私の方から反応するということは、考えておりません」

と、やはりコメントを避けた。

   また、安倍氏晋三首相も5月15日午前の参院予算委員会で

「安倍内閣、自民党の立場と全く違う」

と橋下氏の発言を批判したが、12年8月27日の産経新聞とのインタビューでは、

「橋下氏は戦いにおける同志だと認識している」

と話し、産経新聞によると、橋下氏と共有できる具体的な政策の柱については、(1)教育改革(2)憲法改正(3)慰安婦問題をはじめとする歴史認識分野、などを挙げたという。

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