2024年 4月 26日 (金)

「らくらくスマホ」フランスで好評 日本メーカーの海外成功第1号となるか

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

高速ネットワークに対応する端末の設計力が突破口に

   青森公立大学経営経済学部准教授の木暮祐一氏は、富士通のこうした海外戦略を評価する。「高齢者向けモバイル端末は、同社が長い時間をかけてノウハウを積み重ね、顧客の声に耳を傾けて改良してきた重要な製品。得意分野で勝負できる」というわけだ。

   国土交通省・長期展望委員会が2011年2月21日付で公表した「『国土の長期展望』中間とりまとめ概要」によると、日本国内の65歳以上の人口は、2005年の2576万人から2050年には3764万人に達し、総人口における割合は39.6%を占めるまでになると予測されている。欧米やアジアの主要国でも高齢化は進むが、割合でみると少子化進行も相まって日本が群を抜いて高い。

   あまり喜ばしいとは言えない現象だが、「日本が世界一の『高齢者大国』になるからこそ、国内メーカーはシニア世代の消費者をターゲットに質の高い製品を開発しなければなりません。スマホでも、海外メーカーにはまねできない独自の端末を生み出せる可能性が高まるでしょう」(木暮氏)。

   現状では、富士通のように特定の層にアピールできるスマホを開発している国内メーカーはほかに思い浮かばないと話す。従来、通信キャリアの要望に沿って「無難な端末」を投入してきた結果、独創性のあるモデルが出てこなくなったようだ。

   一方で、日本は消費者の要求レベルが外国と比べて高く、一つひとつクリアしてきたメーカーが生き残ったのも事実。また日本のネットワークの品質は世界有数だが、端末の能力が乏しいと「つながりやすさ」は実現しない。「日の丸スマホ」が今後、海外市場でアップルをはじめ競合他社とわたりあうには、特定層をねらった端末そのものの独自性に加えて、「顧客の高い求めに応じられる高い技術力と、『確実につながり、接続スピードが速い』という優れた端末の設計力が突破口になるかもしれません」。

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