地方発、若者たちの起業が脚光浴びる 「キャバクラドレス」や「魚の直販」「伝統工芸」…
地域の「つくり手」と、全国の「使い手」を結ぶ仕事
地方の男性も負けていない。
北海道の梶原一生さん(30)は、地元の農家がつくる小豆や穀物類などを菓子メーカーに卸す農産物総合商社の常務取締役。地元・十勝の自然や名産を広めるため、自ら小豆や豆を原材料とした商品開発に取り組む一方で、「十勝のよさ」を体現する観光事業として、「十勝ヒルズ」を立ち上げた。
現在、十勝ヒルズへの来訪者は2008年の11倍に伸びた。
鳥取市の幸田伸一さん(34)は、「中古農機具」を海外に直接輸出する「旺方トレーディング」の社長だ。会社を立ち上げたのは21歳のとき。農家は高齢化が進行、耕作が放棄されれば、農機具もいらなくなる。まだまだ働けるのに倉庫に置かれたままのトラクターやコンバインといった中古の農機具に目をつけた。
欧米製の大型の農機具に比べて、日本製は小さくて使い勝手がよい。一方、輸出先の東南アジアなどの農家はいまも人手や家畜に頼って耕作しているところが少なくない。中古農機具であれば、安く提供できてマッチッグしやすいというわけだ。
また、福岡県の白水高広さん(28)は、筑後地方を中心に九州の魅力的な「こと」や「モノ」を発信するアンテナショップ「うなぎの寝床」の代表を務める。地域の過疎化対策として雇用確保に動いた。
地域に豊富にある自然や伝統素材を用いて、売れる商品をつくり出し、販売する。包丁、うちわ、独楽……、伝統工芸や食品といった決まった商品ではなく、地域の伝統工芸職人らと連携しながら、さまざまな商品を取り扱う。地域の「つくり手」と、全国の「使い手」をつなぐ役割を担っている。
就職で悩んだら、地方に目を向けてみるのもいいかもしれない。