2024年 5月 4日 (土)

介護保険改革、来年度から ある程度の負担増は仕方がないのか

都市と地方で課題に差

   担い手の確保が難しいという問題もある。例えば要支援の高齢者が約1000人いる九州のある自治体の担当者は「財政が厳しいので支え手としてボランティアに頼らざるを得ないが、市内に高齢者支援ボランティア団体はほとんどなく、マンパワー確保の見通しが立たない」と不安をのぞかせる。比較的NPOなどの層が厚い大都市圏に比べ、過疎化が進む地方が人材確保に苦労しそうで、地域間格差が生まれる恐れもある。

   財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が、5月に麻生太郎財務相に提出した財政健全化に向けた基本的考え方(提言)では、介護保険料を払う対象年齢(40歳以上)の引き下げについて「検討の余地がある」とするなど、新たな負担増のメニューが早くも俎上に載せられている。

   いずれにせよ、趨勢として介護の給付抑制の流れは変わらない。これから高齢者が急増する大都市圏と、すでに過疎化が進む地方の抱える課題は異なる。地域の実情に合わせ、サービスや人材を必要とする人にいかに適切に届けるか。介護保険制度の前途には難問が山積している。

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