2019年 1月 22日 (火)

笹井氏の自殺は「日本の伝統に従った」 WSJ記事に「ミスリーディング」の指摘続々

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   理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市、CDB)の笹井芳樹副センター長(52)の自殺は、海外にも大きな衝撃を広げた。笹井氏が世界でもトップレベルの研究者だったからだ。

   海外メディアは、2014年8月5日、STAP論文の取り下げや、第三者委員会がCDBの解体を勧告したことが笹井氏に大きな衝撃を与えたと指摘。中には、笹井氏の自殺が「日本の伝統に従ったもの」といった独自の分析もあった。

アルジャジーラ「スキャンダルが科学者の命を奪った」

笹井氏の自殺は海外メディアも大きく取り上げた
笹井氏の自殺は海外メディアも大きく取り上げた

   STAP論文を掲載したネイチャー誌は、笹井氏の自殺を「科学にとって本当の悲劇で、研究コミュニティーにとって多大な損失だ」と惜しんだ。

   世界各地で笹井氏の自殺が広く伝えられており、多くのメディアがAP通信から配信された記事を掲載した。このAP通信の記事では、

「著名な科学雑誌での論文取り下げはきわめて異例で、この不祥事は日本の科学研究にとって、きわめて後味の悪いものになった」

と解説。カタールのテレビ局、アルジャジーラのウェブサイトでは、このAP記事に「スキャンダルが科学者の命を奪った」という刺激的な見出しをつけた。

   米ニューヨーク・タイムズ紙は、

「スキャンダルは、笹井氏のCDBでのライフワークをも脅かしていた。第三者委員会がCDBの解体を提言していたからだ」

とも指摘した。

「スキャンダルに巻き込まれた公人は、償いの手段として自殺を選択」

   他紙と方向性が大きく違っていたのがウォール・ストリートジャーナル紙だ。同紙のウェブサイトでは、

「日本では自殺は償いの手段になることもある」

という見出しで、

「笹井氏の研究は幹細胞の21世紀の科学に新たな地平線を切り開くものだったが、笹井氏の一生の終わりは、日本の伝統に従ったものだった。中世から現代に至るまで、スキャンダルに巻き込まれた公人は、償いの手段として自殺を選択することもある」

として、不祥事の末に自殺することは「日本の伝統」だとした。記事では、松岡利勝元農水相や、竹下登元首相の秘書を務めた青木伊平氏など、金銭スキャンダルをもとに自殺に追い込まれた人を列挙している。

   ただし、コメント欄には

「この記事はミスリーディング。日本では、自殺はもはや償いの手段でない」

といった異論が続々と寄せられている。

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