2019年 1月 17日 (木)

2007年には姿を消したポケベル 送信装置が「未来技術遺産」に登録

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   モバイル時代の先陣を切ったポケットベル。その送信装置が未来に残すべき製品として、国立科学技術館の重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録された。

   登録された送信装置は、NTTが運営するNTT技術史料館が所蔵する3機種(TC-11形送信装置、TC-15形送信装置、CE-15形A符号化装置)だ。「どこでもつながる『ポケベル』を支えたインフラ」という点が評価された。

1968年7月に東京23区内で始まる

   未来技術遺産というのは、当時の先進的科学技術に基づき開発された、未来に残すべき製品のこと。我々の生活や社会、文化などに影響を与えた製品で、2008年からその保存と活用を図る目的で 登録制度がスタートした。要は文化財のようなもので、14年は送信装置に加え、「パスポートサイズ・ビデオカメラ」「フジカラー写ルンです」「カメラ付き 携帯電話」など49件が選ばれ、登録総数は184件となった。

   NTTによると、ポケベルサービスは1968年7月に東京23区内で始まった。当初は特定の電話番号に電話するとポケベルが鳴動するだけ。今振り返れば「極めてシンプルなもの」だが、このアナログ方式の呼び出し信号を送信していたのが、登録された3機種のうちのTC-11形送信装置だった。

   1978年以降は利用者数の増加やサービスの多様化、ポケベルの小型化などに対応しようと世界に先駆けてデジタル化が進んだ。1989年には文字情報が送信できるようになるなどサービスの高度化、高速化が加速。それを支えたのがTC-15形送信装置、CE-15形A符号化装置だった。

   サービス開始当初は「おじさんのアイテム」という印象が強かったポケベルだが、自由文の送信が可能になるなど高機能化が進むとカードタイプやペンタイプなどデザイン性の高いポケベルも登場。1990年代には若い世代を中心に「ベル友」ブームが起きたり、テレビドラマや歌にも重要なツールとして登場したりした。

若い世代の反応は「漫画でしか見たことない」

   しかし、ポケベルの天下も長くは続かなかった。1990年代半ば以降に携帯電話の普及に伴い、NTTドコモのポケベル契約者数は1996年の約649万件をピークに減少し続け、2007年3月末にはとうとうサービスを終了して姿を消した。ただ、ポケベルを駆逐した従来型の携帯電話も、米アップルのiPhoneが登場し、モバイル通信の主役の座をスマホに取って代わられた。

   未来科学遺産登録がニュースとなり、久しぶりにポケベルという言葉が表舞台に登場した。ネット上ではポケベル世代が「もう文化財扱いか」「学校の休み時間に公衆電話に行列できてた」「電車で鳴ると自分かなとみんながそわそわしてた」「彼女の反応 がなくて何度も鳴らしたっけな」と感慨深げに当時を振り返るコメントが並んだ。一方で若い世代の反応は「漫画でしか見たことない」「最初からスマホだった」などと冷めたもの。両者の温度差が大きく、今回の登録は時の流れの速さを改めて印象付けることにもなった。

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