2024年 4月 28日 (日)

習主席、南京事件「30万人が虐殺された」 犠牲者数巡り日中に新たな火種

石平氏「嘘を吹聴」

   これまでも日中戦争時の南京市内での虐殺行為はその有無も含め、犠牲者数をめぐって日中両国で議論の的となってきた。

   10年に公表された「日中歴史共同研究」によると、日本側研究者は「20万人を上限に、4万人、2万人などの推計がある」としている。また、日本国内では「虐殺そのものがなかった」という見方も含め、さまざまな議論がある。一方の中国側研究者は「総数30万人余り」と主張。日本との隔たりは大きい。

   習氏の発言には日中双方で反応が起きている。中国のネットでは、各地の記念式典に参加した様子や、日本を非難する書き込みが相次いだ。「日本の青年の友だちは知っているかい?」とたどたどしい日本語で、虐殺についてウェイボーに投稿するユーザーもいた。

   日本でも同様で、習氏や中国を非難する声があふれている。拓殖大客員教授の石平氏はツイッターで、

「今日の『南京式典演説』、習近平は『30万人虐殺』の嘘を吹聴しながら『日中国民の友好』をも口にする。相手に冤罪を被らせながら『友好』を語るとはまさに共産党一流の詐術」

とした。

   また14日放送「サンデーモーニング」(TBS系)に出演した毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏は「30万人の犠牲はいくらなんでもありえない。日本側から相次いで事件そのものがなかったと否定する発言があるものだから、ああいう形で反発、愛国心を鼓舞し、求心力を高めようとしている」と述べている。

   11月に中国で開催されたAPECで安倍・習両首脳の会談が実現したばかりだったが、習氏の発言で再び日中間に亀裂が入りかねない事態となった。

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