2018年 12月 18日 (火)

後藤さん、3回も渡航自粛要請されていた 危険地域での取材の是非改めて問われる

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   過激派組織「イスラム国」に殺害されたとみられる後藤健二さん(47)のシリア渡航計画を知った外務省が、3回にわたって渡航を見合わせるように要請していたことが明らかになった。

   にもかかわらず後藤さんはビデオメッセージに「何が起こっても責任は私自身にあります」と言い残してシリア入りを強行。その末に殺害されるという結末を迎えたことで、危険地域への渡航の是非が改めて問われることになりそうだ。早くも自民党からは、危険地域への渡航を法的に規制すべきだという声も出始めている。

「自己責任論という立場には立たない。国民の命を守るのは政府の責任」

危険地域への渡航の是非が問われている
危険地域への渡航の是非が問われている

   外務省が発表している渡航情報では、2011年4月からシリア全土を最も危険度が高い「退避を勧告します。渡航は延期してください」に指定。首都ダマスカスにある日本大使館も12年3月から閉鎖されており、機能をヨルダンの首都、アンマンにある日本大使館の中に移して業務を続けている。

   世耕弘成官房副長官は15年2月2日夜にBSフジで放送された「プライムニュース」で、後藤さんのシリア渡航について、

「渡航延期勧告が出ているので『やめてください』ということをお伝えしていたことは、事実として申し上げておきたい」

と述べた。回数について聞かれると、世耕氏は「3回ですね」と答えた。そのうえで、

「われわれは自己責任論という立場には立たない。国民の命を守るのは政府の責任だ」

とも述べた。

   岸田文雄外相も、

「そうした働きかけを行ったということは,報告を受けている。詳細については控える」

と述べ、事実関係を認めている。

憲法の「海外渡航の自由」との兼ね合いが難しい

   こういったことを背景に危険地域への渡航を法的に規制すべきだとの声が上がり始めている。自民党で2月2日に開かれた対策本部の会合でも、退避勧告に強制力を持たせるべきだという意見が出た。

   ただ、菅義偉官房長官は2月2日の会見で「そうしたいろんな声があるということも政府としては承知している」述べたものの、基本的には退避勧告に強制力を持たせることには慎重だ。

「外務省が発出するこのような(海外渡航)情報というのは、国民の皆さんの安全を守るためのものであって、国民の皆さんには十分ご留意いただきたい。そういう意味合いもあり、危険なところに行くときは、外務省を通じて注意喚起しているところ。ただ、これは憲法との兼ね合いがあり、どこまでこうした注意喚起ができるかということ」

   菅氏が言う「憲法との兼ね合い」とは、第22条の条文

「1.何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」
「2.何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。」

を根拠に、「海外渡航の自由」があると解されていることを指している。

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