2024年 5月 4日 (土)

「墜落」ドイツ機に何が起きたのか 「操縦桿ない」A320型機の特徴とは

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与圧装置が故障すると急降下を強いられる

   一般的には、飛行機が急降下する際にはスピードが出過ぎてしまうが、今回の飛行記録を見る限りでは、急降下中のスピードはほぼ一定だった。このことから、パイロットは機体をコントロール可能な状態で、パイロットの意思で急降下したとみられる。

   では、なぜパイロットは急降下を強いられたのか。ひとつの可能性として指摘されているのが、「急減圧」説だ。通常、人間は高度1万メートルの気圧では生存することは不可能だが、密閉された機内で気圧を高く保つことで快適に過ごせるようになっている。高い高度で与圧装置が故障した場合、乗員や乗客に危険が及ぶことになるため、比較的安全な3000メートル程度まで急降下する必要が出てくる。

   そういったケースは、実際に10年ほど前に起きている。05年5月8日11時41分頃、ブラジル・サンパウロ発ニューヨーク経由成田行きの日本航空JL47便(ボーイング747-400型機)が新千歳空港の南東約370キロを飛行中に与圧装置が故障。高度3万6000フィート(約1万1000メートル)を飛行中だったが、乗客用の酸素マスクを降ろして1万フィート(約3050メートル)まで急降下。12時51分頃、新千歳空港に緊急着陸した。

   JL47のケースではけが人はいなかった。JL47とは対照的に、4U9525が急降下後に墜落にまで至った原因は明らかになっていない。すでにブラックボックスは回収されており、フライトレコーダーなどの分析が待たれることになりそうだ。

   事故機は1991年に親会社のルフトハンザ航空に納入され、14年からジャーマンウィングスで運航されていた。エアバスの発表によると、事故機はこれまでに4万6700回のフライトで5万8300時間飛行してきた。旅客機としては比較的古い方だが、25年程度であればきちんと整備していれば安全に運航できるとも考えられている。今後、ジャーマンウィングスの整備体制も問われることになりそうだ。

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