2024年 4月 18日 (木)

韓国を代表する著名作家に三島由紀夫盗用疑惑 「憂国」と酷似、「韓国文学の恥辱」と告発記事

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   韓国を代表するベストセラー作家、申京淑(シン・ギョンスク)氏に「盗用」疑惑が持ち上がり、韓国メディアで騒ぎが広がっている。申氏の短編小説の一部が三島由紀夫の短編小説「憂国」と酷似しているというのだ。

   申氏は盗用を否定しているが、今回の騒動をきっかけに過去の作品の盗用疑惑も蒸し返される事態に発展しており、さらに厳しい状況に追い込まれるのは確実だ。

  • ハフィントンポストの告発記事が波紋を広げている
    ハフィントンポストの告発記事が波紋を広げている
  • ハフィントンポストの告発記事が波紋を広げている

別の小説家がハフィントンポストに告発記事を投稿

   酷似していると指摘されているのは、申氏の短編小説「伝説」(1996年)と三島の短編小説「憂国」(1961年)。「憂国」は、1983年に韓国語版が発売されている。

   小説家で詩人のイ・ウンジュン氏が5月16日、ハフィントンポスト韓国語版に「偶像の闇、文学の堕落」と題した盗用告発した記事を投稿したことで疑惑が明るみに出た。

   ハンギョレ新聞の日本語訳によると、三島の「憂国」には

「二人とも実に元気な若い肉体の所有者であったせいで、彼らの夜は激烈だった。(中略)初夜を過ごして一カ月が過ぎようかという時、すでに麗子は喜びが分かるからだになっていたし、中尉もそんな麗子の変化を喜んだ」

という表現がある一方、申氏の「伝説」には

「二人とも元気な肉体の持ち主だった。彼らの夜は激烈だった。(中略)初夜を持ってから二カ月余り、女はすでに喜びが分かるからだになっていた。(中略)女の変化を最も喜んだのはもちろん男だった」

というくだりがある。一字一句同じというわけではないが、酷似しているのは間違いない。

   イ氏の告発記事によると、これらの酷似した表現は、小説以外の資料の内容を小説の登場人物の会話に登場させたりする、いわゆる「小説化」とは全く性質が異なり、

「純文学のプロの作家としては到底容認できない明白な『作品窃盗行為 =盗作』なのだ」

と非難。そのうえで、申氏の影響力が大きいことを背景に、盗用を隠そうとすることは「韓国文学の恥辱」で、事実を認めて謝罪するように迫った。

「申京淑氏の小説は、さまざまな言語に翻訳されて、海外で商業的にも一定の目に見える成果を収めている。しかし、もし『申京淑の三島由紀夫盗作』がニューヨークに知られているとしたら?パリに知られているとしたら?英国に知られているとしたら?日本の文筆家たちが、日本の大衆がこの事実を知ったら?これは隠そうとして隠せる問題ではなく、隠せば隠すほど悪臭が放たれる韓国文学の恥辱だ」

申氏は盗用を否定、「『憂国』は知らない」

   ただ、申氏は盗用を否定している。ハンギョレ新聞によると、申氏は出版社を通じてコメントを発表し、

「(三島は)かなり以前に『金閣寺』を読んだ以外には読んでいない作家で、該当作品(『憂国』)は知らない」

と主張した。

   「憂国」は「二・二六事件の外伝的作品」だと位置付けられるのに対して、「伝説」は朝鮮戦争を題材にした作品だ。両作品の類似性を比較することが困難なことや、問題とされた場面が作品に占める割合が低いことを理由に、出版社も、

「該当場面のいくつかの文章に類似性があっても、それを根拠に盗作云々することには問題がある」

として「問題なし」の立場だ。

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