2024年 5月 3日 (金)

「安倍政権はあと3年、来年は参院選もある」 翁長知事、民意の変化に期待

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   沖縄県の翁長雄志知事が2015年9月24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古沖(名護市)移設をめぐり、「私たちも県の権限、名護市は名護市の権限等々、色々持っているものがある」などと述べ、あらゆる法的手段を駆使して工事を阻止する考えを改めて示した。

   翁長知事は仲井真弘多前知事が承認した辺野古沖の埋め立て許可を取り消す手続きに入っており、政府と法廷闘争に発展する可能性が高い。「安倍政権も長くてあと3年。来年は参院選もある」と述べ、本土の民意が変化する中で移設反対論の盛り上がりに期待を寄せた。

  • 特派員協会で会見する沖縄県の翁長雄志知事
    特派員協会で会見する沖縄県の翁長雄志知事
  • 特派員協会で会見する沖縄県の翁長雄志知事

演説通じて「警鐘を世界中の人で鳴らしてもらいたい」

   翁長知事は9月21日(日本時間22日)、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で約2分間にわたって演説し、辺野古問題をめぐり

「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」

と訴えた。

   翁長知事が特派員協会で会見するのは15年5月以来4か月ぶり。今回会見では、国連演説の狙いを、

「沖縄県民の自由・平等・人権・民主主義というようなものをほとんど顧みない日米安保体制の中で基地ができあがっていくことについて警鐘を世界中の人で鳴らしてもらいたい」

と説明した。米統治下の経験を踏まえながら、辺野古移設に抵抗していく考えだ。

「私たちは27年間米軍の施政権下で無国籍の人間として人権も蹂躙された時代を生きてきて、そしてその中で、小さな島ながら戦って、ひとつひとつ人権を積み上げてきた私たちには強さがある」
「いわゆる日本国憲法、あるいはまたそれぞれの法律に従って、法律的に取り消しができるように行政としてはやる」

具体的な「法廷闘争」への取り組みは明言せず

   その上で、安倍首相の3年後の任期満了や16年夏の参院選を見据えて、国内の世論が「反基地」になびくことに期待を寄せた。

「しかし、安倍政権も長くてあと3年。来年は参院選もある。国の民意というのも、その時々で表されてくる。沖縄県を挙げて、こういった問題を訴えながら日本国の民意も変わっていくということも十二分にあり得ること」

   ただし、今後予想される法廷闘争に向けた取り組みについては、従来の「品格」という言葉を繰り返し、具体的な戦術への言及は避けた。

「今、普通にいくと(辺野古の工事には)10年かかると言われているが、その中で私たちも県の権限、名護市は名護市の権限等々、色々持っているものがある。そういうものを世界中の人に見ていただいて、日米安保体制の品格というようなものをみんなでご覧いただいて、その中から物事が解決する道を探していきたい」

   菅義偉官房長官は9月24日午前の記者会見で、翁長氏の演説について

「政府は沖縄の基地負担軽減、沖縄振興に全力を挙げているところで、普天間飛行場の移設については、19年間にわたって、まさに多くの沖縄県関係者の協力を得ながら適正な手続きをとって進めてきているというのも事実。そうしたことを踏まえない翁長知事の主張は、国際社会では理解されないという風に思う」

と強く批判。翁長氏が国連の場で演説することになった経緯についても、

「各国の基本的人権の保護などを主な任務としている国連人権理事会で沖縄の米軍基地をめぐる問題が扱われたことには強い違和感を持っている」

と述べ、国連側の対応に疑問を呈した。

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