2024年 5月 4日 (土)

ココナッツオイル 「ボケない、老けない、太らない」奇跡のオイルの秘密

   米国の「美のカリスマ」モデル、ミランダ・カーをはじめ、アンジェリーナ・ジョリー、道端ジェシカ、山田優、ローラ、石原さとみら有名モデル・女優が愛用し、急速に人気が高まっているココナッツオイル。

   美容やダイエットだけではなく、生活習慣病やがん予防、認知症予防にも効く「奇跡のオイル」としてもてはやされているが、ホントに効果があるのだろうか。

  • ココヤシの実からココナッツオイルがとれる
    ココヤシの実からココナッツオイルがとれる
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血糖値・コレステロール値・血圧が低下、「くびれ」までも!

   ココナッツオイルは、ココヤシの果肉を搾ってつくられる。健康への効果は、上記のほかにも便秘、冷え性、アトピーなど計17~20にものぼるといわれるが、そのうちのいくつかは医学的な根拠がある。そのカギを握っているのが、ココナッツオイルに豊富に含まれている「中鎖脂肪酸」という油だ。分類上は体内で固まりやすい飽和脂肪酸だが、中性脂肪になりにくい善玉の油なのだ。国立健康・栄養研究所情報センターの「健康食品の安全性・有効性情報」サイトを見ると、中鎖脂肪酸の働きを調べた実験の検証・評価が公表されている。その一部を紹介しよう。

   まず、減量と、糖尿病や高血圧、脳血管症などの生活習慣病の予防効果だが、「中程度肥満の男女群に16週間摂取させたところ、血糖値・総コレステロール値・血圧の低下が認められた。また、体重、総脂肪量、体幹脂肪量、腹腔内脂肪組織量の減少が大きかった」という。ダイエット効果は抜群のようだ。

   中でも、女性の関心が高いシェイプアップ効果については、「標準体型の女性群を2つのグループに分け、それぞれに中鎖脂肪酸と通常の油を4~12週間摂取させ、体脂肪量およびウエスト・ヒップの皮下脂肪面積と内臓脂肪面積を比較した。すると、中鎖脂肪酸を摂取した女性群の方が、他の油を摂取した女性群より脂肪量が抑制された」という。つまり、普通の油より「くびれ」部分に引き締まり効果があったというわけだ。

   また、「(口から飲ませると)小児のてんかん発作を抑える効果があった」という。しかし、よく喧伝される「免疫力が高まり、がんやエイズに効く」という情報については、「患者に(栄養・カロリー源として)摂取させたが、他のビタミン・ミネラル・脂肪酸より特に優れた有効性は見いだせなかった」としている。必ずしも万能ではないのである。

   それにしても、「恐るべし!中鎖脂肪酸のパワー!」だが、その秘密はどこにあるのだろうか。『ココナッツオイルで健康になる!』など多くのココナッツオイル健康本を監修している白澤卓二・順天堂大学教授(加齢制御医学)は、本やサイトの中で次のように説明している。

「中鎖脂肪酸は母乳にも含まれる成分で、さまざまな体によい効果があります。普通の油より消化・吸収がとても早く、すぐにエネルギーに消費されて、代謝がアップします。代謝がアップすると、血糖値を下げて、中性脂肪やコレステロールを減らす効果があります。そして、中鎖脂肪酸は肝臓で分解されると、ケトン体という物質になります。最近の研究で、このケトン体が素晴らしい働きをすることがわかってきました」。

食事に「ちょい足し」で効果抜群、でも摂りすぎはヤブヘビ

   アルツハイマー病になると、脳がブドウ糖をエネルギー源に使えなくなり、脳神経細胞が休眠状態になってしまうが、ブドウ糖の代わりにケトン体がエネルギー源になり、脳神経細胞を回復させる。だから認知症の予防と改善になる。実際、米国のメアリー・ニューポート医師が、アルツハイマー病になった夫にココナッツオイルを飲ませて進行を止めた研究もある。

   ケトン体は老化の原因となる体内の活性酸素を無害化する、アンチエイジング酵素群の働きも活発化させる。全身に若返り効果があるのだ。当然、美容にもいい。また、中鎖脂肪酸の大半はラウリン酸だが、ラウリン酸には抗菌作用があり、インフルエンザなどの感染症予防になる。口に含んでゆすぐと歯周病・口臭予防にもなる。また、整腸作用があるので便秘にも効くという。

   使い方のポイントは「ちょい足し」だ。中鎖脂肪酸は摂取後、3時間で分解のピークがくるので、脳がエネルギー不足になっている朝に、コーヒーや紅茶にひとさじ入れると、脳への栄養にもなっていい。また、普通の食用油に比べると、酸化安定性が高くて加熱調理に強いのが特徴だ。独特の甘い香りとくせがあるので、エスニック料理だけでなく洋食や中華にも合う。パスタを炒める時に使うと、さわやかな香りづけができる。

   しかし、「ボケない、老けない、太らない」と、いくら体によいからといって摂りすぎは禁物だ。実は、ココナッツオイルの6割は「善玉」の中鎖脂肪酸だが、残りの4割は「悪玉」の長鎖脂肪酸なのだ。こちらは、ゆっくりとエネルギーに消費されるため、余った分が中性脂肪に変わり体内に蓄積されやすい。パンに塗って食べたり、直接飲んだりして過剰に摂るとダイエットとは逆の結果に陥る。白澤卓二教授も「1日に大さじ2杯が目安」と強調する。

   また、体質的に合わない人もいる。整腸作用が活発になりすぎて下痢を起こしたり、嘔吐したりする人も稀にいる。最初は少量で試してみて、体調と相談しながら増やしていこう。

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