2024年 5月 4日 (土)

「佐藤」と「加藤」聞き違い増えたら注意 メタボにストレス...難聴の要因を探る

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【チョイス@病気になったとき】(NHK)2015年9月25日放送
「あなどれない!耳鳴り」


   「キ~ン」とも「ジジ~」とも聞こえる不快な音。ひどくなると聴力を失う心配がある耳鳴りに悩む人は、推定300万人にのぼるといわれる。たかが耳鳴りと軽くみないで、早い段階の対処が必要だ。

   MCの星田英利と浜島直子。「(耳鳴りが)俺はない」「私もない」とニコニコ。リポーターの小山径アナが「寝る時にブ~ンという音が毎晩聞こえます。(気を取り直したように)耳鳴りには3つ原因があり、まず一番多いのがコレです」。

  • がんこな耳鳴りにも意外な原因がある
    がんこな耳鳴りにも意外な原因がある
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脳が頑張って興奮状態になると「雑音」を作る

   74歳の女性Mさん。1か月前に突然「ドコンドコン」と聞こえるようになった。一日中鳴りっ放しだ。病院に行くと「加齢性難聴」と診断された。年をとると耳の中で音をとらえる内耳(ないじ)の血流が悪くなり、機能が衰えて音が聞こえづらくなる。早い人で40代から始まる。

   ゲストのJCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長の石井正則さんが説明する。「内耳から音が入ってこないと、脳が頑張って興奮状態になり、音を聞こうとして感度を上げる。その時に脳が作る雑音が耳鳴りです」。

星田「テレビのボリュームを上げるようなものですね」。
小山「どのくらい聞きにくくなると難聴を疑うものですか?」
石井医師「日常生活で聞き間違いが多くなる時です。典型的な例が『佐藤さん』と『加藤さん』を間違える」
星田&浜島「あ、なるほど!」

   石井医師は、最近、動脈硬化と加齢性難聴が関係あることがわかってきたと説明する。どちらも血流が悪くなると発症する。だからメタボが解消されると、難聴になりにくくなる。Mさんは血流をよくする薬を飲み、症状が改善した。

小山「2番目の耳鳴りは、年齢は関係ない。若い人でもなります。突然ものすごい耳鳴りが来て、聞こえなくなってしまいます」

   25歳の男性Yさん。DJが趣味だ。引っ越し準備に追われていた朝、「キーン」という音とともに右耳が蓋をされた状態になった。病院で聴力検査をすると、目の前を電車が通過する80デシベルの音も聞えない。「突発性難聴」と診断された。Yさんは血流をよくする薬を飲み続け、10日後にほぼ回復した。

浜島「治ってよかったです。原因はわかっているんですか?」
石井医師「現在のところわかっていません。だから『突発性』といいます」
星田「YさんはDJでしょ。大きな音を聞いていたからじゃないですか?」
石井医師「大音量は難聴とは関係ありません。カラオケやコンサートの後、ボワ~ンとしますね。アレは音響外傷といって耳の機能が一時的に低下するだけで、2~3日で回復します。Yさんの場合は、引っ越しで生活環境が変わるストレスが大きいと思います」

腫瘍が原因の耳鳴りは「経過観察」の方法も

小山「3番目は腫瘍が原因の耳鳴りです」

   56歳の女性Sさん。10年前に突然、「ゴ~ッ!」と駅のホームを電車が通過するような耳鳴りが始まった。病院でMRIの精密検査をすると、耳がとらえた音の情報を脳に送る聴神経の近くに4ミリの腫瘍が見つかった。「聴神経腫瘍」と診断された。

石井医師「聴神経腫瘍の多くは良性です。腫瘍をとる手術で聴神経を傷つけると聴力を失う恐れがあるし、近くに顔面神経が走っているので、顔の表情が歪む可能性もあります」

   結局、Sさんが選んだチョイスは「経過観察」、つまり定期的に検査して腫瘍が大きくならないよう様子を見ることだ。腫瘍が大きくなれば手術や放射線治療の方法があるが、幸い4ミリのままだ。Sさんは一時より耳鳴りが収まり、「あ、コレ耳鳴り?と思った時に感じる程度ですね」という。

浜島「どうしてSさんは改善していると感じているんでしょうか?」
石井医師「(耳鳴りの原因がわかって)心の負担が少なくなったから」
星田「そんなもので耳鳴りが収まるものなのですか?」
石井医師「私は、加齢性難聴のところで、耳鳴りは脳が興奮して作り出す音だといいました。心が落ち着くと脳の興奮も収まるのです」
星田&浜島「わあ~、なるほど~!」。

「好きなことをおやり」で治った!?40年来の耳鳴り

小山「最後に登場するのは、40年近くも耳鳴りに悩まされた人が、意外なチョイスで回復した物語です」。

   75歳の男性Tさんに耳鳴りが始まったのは29歳の時だ。左耳の中にセミが2~3匹いるような音が続き、夜も眠れなくなった。多くの医師を訪ね歩き、様々な治療を試みたが治らなかった。7年前、石井医師に診察してもらうと、これまでしたことがない検査を受けた。ストレステストである。その結果、Tさんが強いストレスを抱えていることがわかった。そこで石井医師がTさんに勧めた治療法というのが、「好きなことをおやりなさい」というものだった。

   Tさんが語る。「『コレ、耳鳴りと関係ないんじゃない?』と先生に聞いたことがあります。すると先生は『頭の中を開けて、いじくるのが治療ではない。あなた自身が考え方を変えないといけない』と言いました。リタイアした後なので、ゴルフ、読書......。好きなことを始めました」。いまTさんは仏像彫刻に夢中になっている。1日5時間ノミをふるう。好きなことに没頭している間は耳鳴りが起こらない。「穏やかな時間が持てることがうれしいです」とTさん。

星田「う~ん、こうなると人間って脳の中に何もかもあるんですね」
浜島「自分を解放してあげると、脳も感度を下げるわけですね」。
石井医師「耳鳴りは健康のバロメーターです。必ず体の変調が起こっています。オススメは心地よい汗をかくことと、楽しいことを始めることです」
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