「ロッテから追放しないとな」お家騒動渦中の創業者が「肉声動画」公開 解任長男が次男に仕掛けた「反撃」の中身

「あの佃というやつは、ほんとにあれ、ずるいんだ、人間が」

   武雄氏の矛先は、佃社長に向けられた。7月に武雄氏と佃氏が面会した際、佃氏が社長辞任を受け入れたと武雄氏は受け止めたが、そのまま昭夫氏側についていることに怒りが収まらない様子だ。

「あの佃というやつは、ほんとにあれ、ずるいんだ、人間が」

「悪いことしたから辞めさせたわけだ。そのときは謝って『すみません』と出ていっている。しばらくしたら、反対側についた。本当に悪いやつだ」

   動画の最後では、ロッテは「ロッテファミリーのもの、持ち物」だとした上で、

「それをみんなが守らないと。みんなが守って、みんなのものだと思って、それでこの会社をもっと発展させないといけない」

などとグループ内の団結を訴えた。

   15年12月には、武雄氏の妹のシン・ジョンスク氏がソウルの裁判所に「成年後見人」の指定を申し立てている。武雄氏は09年頃から認知症を患っている、というのがその理由だ。

   後見人の候補者には宏之氏と昭夫氏の両方が含まれており、申し立てが今回の騒動にどう影響するかは不透明だ。ただ、宏之氏側は動画を公開することで武雄氏の健在ぶりをアピールする狙いがあった可能性もある。