2024年 4月 26日 (金)

伊勢志摩サミットで「首都圏」も厳戒! 早くもゴミ箱、コインロッカーが使えない

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   2016年5月26、27日に三重県志摩市で開かれる「伊勢志摩サミット」を前に、早くも東京地下鉄(東京メトロ)が、他社と相互乗り入れする駅を除く、すべての駅でゴミ箱を撤去するなど、テロへの警戒を強めている。

   2005年に地下鉄などが爆破されたロンドン同時爆破テロのように、これまでもサミット(英グレンイーグルズ・サミット)を狙ったテロ事件は起こっている。世界的にイスラム過激派などによるテロ事件も続発しており、伊勢から遠く離れた首都圏でもテロ対策が目に見えて強化されている。このままだと2020年の東京五輪の厳戒態勢はどうなるのか。インターネットでは、4年後の厳戒ぶりを予想する声も広まっている。

  • 伊勢志摩サミットで「東京」も厳戒態勢に・・・(写真は、「貼り紙」された東京メトロのコインロッカー)
    伊勢志摩サミットで「東京」も厳戒態勢に・・・(写真は、「貼り紙」された東京メトロのコインロッカー)
  • 東京都内半蔵門線の駅構内にて
    東京都内半蔵門線の駅構内にて
  • 伊勢志摩サミットで「東京」も厳戒態勢に・・・(写真は、「貼り紙」された東京メトロのコインロッカー)
  • 東京都内半蔵門線の駅構内にて

「爆発物が仕かけられる恐れがある」

   東京メトロのゴミ箱の撤去やコインロッカーの封鎖は、伊勢志摩サミットの開催にあわせて、警察庁などからの要請に応えたもの。東京都内の地下鉄の駅では、爆発物が仕かけられる恐れがあるとして、ゴミ箱や主要駅など140か所にあるコインロッカーを、2016年5月15日夜からサミットが終わる27日まで、一時的に使えないようにした。

   各駅の駅員がホームなどにあるゴミ箱を取り外して移動させたほか、駅構内のコインロッカーには「サミット期間中、ロッカーを封鎖します」と書かれた貼り紙を掲示。東京メトロは、「コインロッカーは使用中でないかをきちんと確かめたうえで封鎖していますので、荷物が取り残されて出せなくなるようなことはありません」という。不審者や不審物がないか、駅員や警備員による巡回も強化した。

   東京メトロは、「テロ対策や警備強化に対して(警察庁などから)協力依頼があれば、当社の取り決めに基づいて適切に対応するように努めています」と説明している。

   一方、JR東日本も、利用客の多いターミナル駅などの主要駅や新幹線の停車駅などの一部で5月25~27日の3日間、ゴミ箱やコインロッカーの使用を停止する。使用停止の対象となる駅は「首都圏だけではない」という。また、新幹線や一部の在来線特急などに備え付けてあるゴミ箱も26、27日の両日使えないようにする。

   JR東海のゴミ箱は、在来線の名古屋と金山(いずれも愛知県)、三重県の桑名と四日市、津、伊勢市、鳥羽の各駅が対象。駅係員の目が届くゴミ箱を除き、20日~27日まで封鎖する。対象外の駅と、東海道新幹線の駅ホームにあるゴミ箱はサミット期間中も利用できる。

   コインロッカーは、新幹線の東京、新横浜、名古屋、京都を対象に23~27日(預入の停止を含む)に封鎖。在来線は桑名、津、伊勢市の各駅で20~27日まで封鎖する。また、京都駅の「携帯品一時預かりサービス」も23~27日まで預け入れを停止する。

   JR西日本でも、主要駅に設置しているゴミ箱の一部を撤去、コインロッカーの使用を停止している。

証明写真機も使えない私鉄も

   首都圏では、小田急線が2016年5月17~27日の特急ロマンスカーの車内のゴミ箱を封鎖。また26、27日のサミット当日には一部の駅のゴミ箱とコインロッカーの使用を中止する。

   京急線は、品川や京急川崎、横浜、羽田空港国際線ターミナル駅などのコインロッカーと飲料用自動販売機のダストボックスの使用を17~27日まで中止。26、27日には証明写真機も使えない。

   京王線は17~27日まで、新宿、渋谷、下北沢、吉祥寺の各駅のコインロッカーの使用を中止する。缶やペットボトル用のダストボックスも警戒レベルが上がる26、27日には撤去する。駅構内のゴミ箱については、地下鉄サリン事件をきっかけに撤去。その後も設置していない。

   鉄道会社は「皆さまにはご不便をおかけしますが、ご協力をお願いしたい」と口をそろえ、理解を求めている。

   こうした鉄道会社の措置に、インターネットでは、

「ゴミ箱撤去ホントやめてほしい。必要だから置いてあるんでしょう。事あるごとに撤去するならハナから要らんでしょう」
「ゴミ箱はともかく、コインロッカーは困るだろう」

といった苦情のほか、

「テロ対策のためなら仕方ない。ただ、ゴミのポイ捨てが増えるのは嫌だ」
「地下鉄サリン事件のとき、駅からゴミ箱が撤去されても別に不便には思わなかったけど。いまだってかなり少ないよ」
「あんな事件があったんだもの、やっぱり敏感なんじゃない。起ってからじゃ遅いしね」

といったあきらめの声が交錯している。

4年後の東京五輪・パラリンピックは1か月以上か

   そもそも、今回の「伊勢志摩サミット」は、警察庁や内閣府が離島であればテロ行為が起きにくいと判断したとされる。地方のほうが日常生活への混乱なども軽微になるともいわれた。

   インターネットには、

「何で東京? 偉い人だれもいないじゃん。警備する場所が違うだろ!」
「伊勢志摩からどんだけ離れてると思ってんだよ。アホか?」

と、「東京」でのテロ対策の強化に不満を募らせる声も寄せられている。

   ただ、じつは東京メトロは2008年の北海道・洞爺湖サミットのときもゴミ箱を撤去しており、外国からの日本への玄関口である首都・東京のセキュリティーを確保するには必要な措置のようだ。

   さらには、早くも2020年の東京五輪・パラリンピック時の対応を懸念して、憂鬱な気分になっている人もいるようで、

「東京オリンピック期間中もずっとこれやるんだろうと思うと今から頭痛いわ」

といった声もある。

   東京五輪・パラリンピックは2020年7月24日が開会式(22日からサッカーが競技に入る)。8月9日の閉会式までの17日間開かれる。パラリンピックは8月25日から9月6日までの開催だ。ゴミ箱やコインロッカーが使えなくなる期間も1か月以上に及ぶ可能性がある。

   海外から多くの人が観戦・観光に日本を訪れることになり、テロ対策に向けた警備体制も伊勢志摩サミットの比ではないはず。東京メトロは、「(東京五輪は)まだ先のことなので現時点ではわかりません」というものの、「できる限りのことはしたい」と話している。

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