2024年 4月 27日 (土)

お腹の子につける「胎児ネーム」急増中 ココナッツ、マイケルにマメ、チビ...

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   最近、プレママ(妊婦)の間で、お腹の赤ちゃんに呼びかける「胎児ネーム」(ベビーネーム)をつける人が増えている。出産までの「期間限定」の名前だが、親になる自覚が生まれるとともに、一緒に呼びかけることで夫婦の絆も深まるという。

   一方、生まれた赤ちゃんは呼びかけられた胎児ネームを覚えているらしいというエピソードもあり、ママ向けサイトで話題になっている。

  • ママが呼びかけた名前を赤ちゃんは覚えている。
    ママが呼びかけた名前を赤ちゃんは覚えている。
  • ママが呼びかけた名前を赤ちゃんは覚えている。

女の子と分かってから「姫ちゃん」と呼んでいます

   胎児ネームが一気に広まったきっかけは、モデルの蛯原友里さんの双子の妹で、チャイルド・ボディ・ セラピストの蛯原英里さん(36)が、お腹の赤ちゃんに「げんき」と名付けて呼んでいることを、自分のブログで公開してからといわれる。2014年3月9日付ブログにこう書いた。

「妊娠がわかって始めた事のひとつに、お腹の赤ちゃんに『胎児ネーム』をつけました。主人と一緒に、『元気に育ってほしい』と言う想いから『げんき』と名付けました。夫婦&赤ちゃんとのコミュニケーションとしてとても大事だと思います。家族も呼んでくれていますよ。『げんきは元気?』って」

   これに対するコメントは実ににぎやかだ。

「うちもつけています、胎児ネーム♪ 夏に妊娠が発覚、それに新婚旅行が沖縄だったので『心夏』(ココナッツ)。お互い安産になると良いですね」 「私は『わんちゃん』と呼んでいました! 出産予定日が地元の犬祭りということもあり、犬=わんちゃんです」
「うちでは性別が分かるまで、『王子かなあ? 姫かなあ?』と話していたので、女の子って分かってから、そのまま『姫ちゃん』と呼んでいます」

   多くのプレママのサイトも最近、胎児ネームの話題でもちきりだ。その1つ「mamari(ママリ)」の2016年8月2日付は「あなたは付けましたか? 『胎児ネーム』のメリットと優しいエピソード集」を特集した。まず、思わずニッコリ&ほっこりするエピソードから――。

「まだ、お豆くらいに小さいんだよ~と教えてから、子供たちがお腹の赤ちゃんを『まめちゃん』と呼びます。ベタな胎児ネームになりました」
「娘ちゃんの胎児ネームは、ずばり『ころちゃん』でした。由来は、クリームコロッケ。というのも、健診で娘ちゃんの重さが120グラムということがあって、職場でその話をしたら、『クリームコロッケ2つ分の重さ』って教えてくれたおじちゃんがいたので」
「お腹の子の重さがサクランボの重さと同じだとわかった時に、『梅ちゃん』になりました。生まれる時期が桜ではなく、梅の時期だったから。ちなみに、私も生まれるまでは、母から『小春』と呼ばれていたそうです」

胎動の感激から「ぽんた」「とんちゃん」「どん」

   若い夫婦向けサイトの「パピマミ」も2016年8月10日付で「愛おしさ100倍!? 赤ちゃんに"胎児ネーム"をつけたママたちの体験談」を特集した。それによると、ネーミングは「ちぃちゃん」「マメちゃん」「チビちゃん」が一番多いそうだ。

「エコー写真で見た小さな命に夫婦で大感激。小さいので『ちぃちゃん』。その後、女の子だとわかってから『ちぃこ』。10か月もそんな感じで呼んでいたので、生まれてからそのまま『ちこ』と名づけました」

   続いて多いのが、胎動のイメージから『ぽこ』『ぽんた』『とんちゃん』など。

「胎児ネームは『お花畑妊婦』みたいで恥ずかしいので、つけないつもりでしたが、初めて胎動を感じた時に感動して、感じたままに『ぽこ』と」
「男の子なので蹴りが強く、やがて胎動はドカンドカンという感じに。それに合わせて名前は『どん』に変化しましたね」

   胎児ネームには、つけるメリットとデメリットがあるようだ。育児サイト「mamas up」(ママズアップ)では「胎児ネーム 人気ランキングベスト5」の特集記事の中で、メリットとして次の5つをあげている。

   (1)名付けることで赤ちゃんを呼ぶ回数が増え、赤ちゃんへの愛情がわく。

   (2)赤ちゃんの名前を呼ぶことで、親としての自覚ができる。

   (3)名前を呼ばれることで赤ちゃんの脳が刺激され、成長が促される。

   (4)親子の絆ができ、ママも赤ちゃんも気持ちが安定して安産率が高まる。

   (5)夫婦が共通で赤ちゃんの名前を呼ぶと、妊娠中から夫婦一緒に子育てをする意識が高まる。

   しかし、デメリットもあるのだ。

   (1)胎児ネームに愛着がわいてしまい、生後の名付けがどれもしっくりいかず、なかなか命名できない場合がある。

   (2)胎児に呼びかける割合はママが圧倒的に多いので、夫婦間で出産に対する意識差が生じてしまう。

   (3)夫婦間での胎児ネームに対する思いの差が妊娠中の衝突になり、出産後の育児にまで悪影響を及ぼすこともある。

   この(2)と(3)に関しては、前述の「パピマミ」で、こんなケースを紹介している。

「ステキな胎児ネームをつけていました。産後そのまま命名したかったのですが、夫が反対して大ゲンカに。結局、全然違う名前にしたのですが、あの時のケンカがずっと忘れられません。思い入れの強さに差があることが何より悲しかったです」

胎児名を覚えていた子も

   ところで、胎児ネームを赤ちゃんが覚えているという不思議な話が、いくつかのサイトで見られた。たとえば、前述の「ママリ」にはこんな話がある。

「胎児ネームは『マイケル』でした! 私たち夫婦がマイケル・ジャクソンを好きだったせいもあります。びっくりすることに、生まれてきた息子は、自然にマイケル・ジャクソンに興味を持ち、歌を覚えたり、踊ったり、DVDを観たりしています! 1歳ぐらいの時には、お腹の中でマイケルと呼ばれていた事を話してくれました。今はまったく覚えていないそうです。残念......」

   実は、この現象、専門家の話では珍しくないそうだ。『胎内記憶』(角川SSC新書)など出産に関する著作が多い「池川クリニック」院長で産婦人科医の池川明さんのウェブサイト「池川明の胎内記憶」を見ると、こんなエピソードが紹介されている。母親からの質問に池川院長が答える形式だ。

「(母親)先日、レストランで隣のテーブルの男の子を母親が『たいちゃん』と呼んでいるのを聞き、私の3歳の娘が『わたしも、たいちゃんというんだよ』と言いました。実は妊娠中、お腹の娘を『たいちゃん』と呼んでいたので、もう本当に驚きました。その時から、娘は自分を『たいちゃんと呼んで』と言うようになりました。私が本当の名前である『ふうちゃん』と呼ぶと、いちおう反応しますが、『ふうちゃんじゃなくて、たいちゃん!』と言い返してきます。どうしたらいいのでしょう」

   どうやら、この母親は娘に胎児ネームを教えていなかったのに、覚えていたことにショックを受けたようだ。これに対する、池川院長の回答はこうだ。

「(池川院長)胎内記憶を持つ子どもの中には、『お腹の中で、ママは僕を○○と呼んでいたよね』と話す子が時々います。また、母親が胎児名について全く話したことがないのに、お気に入りの人形に同じ名前をつけて可愛がる子がいます。しかし、胎児名にこだわる子はあまりいません。胎児名を聞くと幸せそうにする子が多いことから、娘さんも胎内の幸せな感覚を思い出しているのかもしれません。時間をかけて見守ってあげてもいいように思います」
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