2024年 5月 2日 (木)

発泡酒は泡と消える? ビールと税率統一へ

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ビール類市場の縮小に危機感「一本化を容認したわけではありません」

   ビール類の酒税が55円程度に一本化されれば、ビールは減税になるが、安価な発泡酒や「第3のビール」は増税につながる。仮に酒税が55円に一本化されると、現行221円(消費税込み)のビールの小売価格は24円安くなり、197円になる。その一方で、発泡酒は8円値上がりして172円に、「第3のビール」は28円も高くなり171円になる。

   ビールと一番安い「第3のビール」との価格差は現行の78円が26円に、ビールと発泡酒は現行の57円が25円にまで縮小される。

   ビール酒造組合は、「税負担が下がって小売価格が下がれば、これまでのビールファンが戻ってきたり、新たなファンがついたり、需要増が期待できます」と話す。

   インターネットには、

「発泡酒、絶滅するんか?」
    「結局、安くなったビールと高くなる発泡酒や第3のビールはどっちが安いの?」
    「ビール愛好家としては嬉しいわぁ」
    「発泡酒2缶飲むならビール1本でいいじゃん。味はどうでもいいから酔いたいわけ?」
    「淡麗(キリンビール)好きな俺涙目。ビールより淡麗のほうが飲みやすくておいしいのに...」

などと歓迎する「ビール党」と、発泡酒や第3のビールのファンの不満げな声が交錯する。

   とはいえ、ビール酒造組合はなおも不満を漏らす。いまや、ビール類市場全体が年々縮小しているからだ。ピークの1994年を100とした場合の市場の推移をみると、2014年は4分の3の72まで落ち込んでいる。

   人口減少やデフレ時代の影響もあるが、ビールメーカーがこぞって低価格の発泡酒や「第3のビール」の開発に注力した結果、味わいのよさを求める「ビール党」のビール離れを招いた。それが最近は、発泡酒や「第3のビール」の売り上げにも陰りがみえてきた。

   ビール酒造組合は、「わたしどもが要望しているのは、『同一分類に属する酒類』ということではなく、ビール類全体の税負担を大幅に軽減してほしいということです。(清酒やウイスキーなどとの税率格差を踏まえ)一本化を容認しているわけではありません」ときっぱり。ビール類市場の減少基調に歯止めをかけたいという。

   ビール類の酒税が一本化されても、安くなったビールを飲む消費者が増える可能性はあるが、安い発泡酒などを飲んでいる消費者の負担は増すため、メーカーの売り上げ全体がどのように変わるかはわからない。

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