2024年 4月 26日 (金)

バカ売れ 日産「ノートe-POWER」に「欠点」はあるのか 購入前に知っておきたい「ポイント」

提供:日産自動車

   日産自動車のコンパクトカー『ノート』が絶好調だ。新しい動力システム「e-POWER」を搭載したニューモデルが記録的なヒットを飛ばしており、2016年11月には日産車としては約30年ぶりとなる月間販売台数1位の栄光にも輝いた。

   そんな「e-POWER」モデルには、購入者からも「想像を絶する素晴らしさ」などと絶賛する声が相次いでいる。とはいえ、他車ユーザーの間では「何がそんなにスゴいの?」と疑う向きがあることも確かだ。

   ――そこでJ-CASTニュースは今回、車専門メディアや経済誌などの「レビュー記事」を比較・分析することで、話題のノートe-POWERが持つ魅力を改めて浮き彫りにしてみた。

日産「ノートe-POWER」大ヒットの理由を探った
日産「ノートe-POWER」大ヒットの理由を探った

電気自動車の走りなのに「充電不要」

   日産が2016年11月2日に発売した「ノート e-POWER」。その最大の特徴は、同社が「電気自動車のまったく新しいカタチ」とうたう新しい駆動システムにある。

   トヨタの「プリウス」や「アクア」、ホンダの「フィット」など、国内で人気のHV車の多くは、エンジンとモーターを併用して走る仕組みを採用している。だが、日産が新しく打ち出した「e-POWER」では、エンジンの出力を発電だけに使用し、走行は100%電気モーターで行う。

「e-POWER」モデルに付く専用ロゴ
「e-POWER」モデルに付く専用ロゴ

   この駆動システムが、量産型のコンパクトカーに搭載されるのは世界初。モーター駆動ならではの静かで力強い走りを実現しつつも、エンジンを効率よく発電のためだけに使うことで低燃費を達成。さらに、通常の電気自動車「不便さ」も指摘される充電の手間を省くことも実現した。

   そうした利便性や革新性が受け、「e-POWER」は発売直後から驚異的なヒットを記録。11月だけで1万5784台を売り上げ、同月の新車販売台数ランキング(日本自動車販売協会連合会)でも1位に輝いた。

   実際、購入者もその性能には満足しているようで、商品レビューサイト「価格.com」には、

「想像以上に完成度の高いコンパクトカーでした」
「加速の力強さと滑らかさ、それと静かさは、エンジン車とは別格」
「視界良し、安全装備良し、加速力および燃費良し」

などと絶賛するレビュー投稿が数多く寄せられている。実際、購入者が採点する「満足度」を見ても、燃費や走行性能など全7項目の平均で4.40(5点満点)と高評価だ。

   とはいえ、こうしたレビューに対しては、他社の車に乗っているユーザーから「本当なのか?」と懐疑的な意見も漏れていることも事実。そこで気になるのが、車情報の専門メディアなどが手がけた「試乗記」の内容だ。

専門メディアは「e-POWER」をどう見たのか

   日産としては久々の大ヒット車となったノートe-POWERには、多くのメディアが関心を寄せている。実際、同車を紹介・レビューしているウェブ記事は、12月20日時点で少なくとも50~60本以上が見つかる。

   今回はその中で、記者やライターが実際に試乗した記事にしぼって、各メディアが見たノートe-POWERの「魅力」や「欠点」を探った。

   車情報を専門とするメディアがこぞって絶賛していたのは、100%モーター走行を実現した「e-POWER」ならではの加速性能だ。例えば、ウェブメディア「カーセンサー」が12月16日に配信した試乗記事の中では、

「加速は素晴らしい。モーターならではの一気に立ち上がるトルクの恩恵だ。加速時の静粛性も高い」

と評されている。他メディアをみても、「振動がなく、滑らかで力強い加速」(Autoprove)、「加速は俊敏で力強く、エンジンでは得難い」(レスポンス)などと、初めにアクセルを踏み込んだ時の感触を「特筆モノ」だと称える感想が数多く見つかる。

視界の広い運転席
視界の広い運転席

   そのほか、アクセルペダルの踏み戻しだけで加速・減速を簡単に行える「e-POWER」特有の走行感覚に言及するメディアも目立った。独特の走法に馴れればアクセルだけの「ワンペダルドライブ」で長時間走行を続けることも可能で、各メディアからも、

「アクセルペダルから足を離した瞬間(略)あたかもブレーキを踏んだように減速&停車します」(車選び.com)
「特に市街地におけるストップ&ゴーに有用」(東京ウォーカー)

といった感想が出ている。日産によれば、アクセルを離した際の減速が最も強い「e-POWER drive」では、理論上ブレーキの使用率が通常よりも約7割減少するという。

「燃費性能」には厳しい目も

   また、クラストップの1リットルあたり37.2キロ(カタログ値)を誇るという燃費性能については、メディア間で大きく意見が分かれた。

   とくに目立ったのが、電気によるモーター走行の特性上、「高速走行時」にはどうしても燃費効率が悪くなってしまうという指摘だ。なかには、「システムの成り立ちを考えると高速燃費にはさほど期待はできない」(レスポンス)など手厳しい意見も見つかった。

   ただ、街乗り時の実燃費はほとんどのメディアが評価している。さらに、ノートe-POWER独自の「ワンペダルドライブ」を駆使すれば、より燃費効率を向上させることが可能とする意見もみられた。

e-POWERの斬新な運転感覚は「面白い」
e-POWERの斬新な運転感覚は「面白い」

   ここまで見てきた、各メディアのノートe-POWER評をまとめると、総じて高い評価が与えられていたのは「運転感覚の斬新さ」と言えそうだ。とくに、特筆モノの「加速性能」や「ワンペダルドライブ」については、純粋に「面白い」とシンプルに評するメディアも目立った。

   実際、一般の試乗者がツイッターに寄せた感想をみても、

「試乗したときこれはすごく新しいと思った」
「(乗り味は)まさに未来の車といった感じ」
「乗って面白い車でした」

といった投稿が数多く見つかる。その上で、「ぜひ1度試乗してみるべき」などと呼びかけるユーザーすら出ていた。

   世界で自動車に関する環境規制が強まるなか、既存のハイブリッド車を「エコカーではない」として、減税などの補助対象から外す動きも出ている。そうした中で、いずれやってくるであろう100%電気自動車の社会の手前で、充電の手間を省きつつも電気自動車由来の100%モーター駆動を実現したe-POWERには、

「これからの自動車市場において『主流の動力システム』になるのではないか」

という期待も広まっている。

   ノートe-POWERの詳細は日産の公式ホームページで。

姉妹サイト
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック