2018年 12月 15日 (土)

納豆パート2:最新研究で脳卒中リスクが3割減 他の大豆食品は効力ないのに...

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   納豆は体によいとよくいわれる。美肌、ダイエット、整腸作用、高血圧予防......。しかし、世界的にはマイナーな食品ということもあって、大規模な調査ではっきりと健康効果を分析した研究は意外に少なかった。「大豆食品一般」として研究される例が多いためだ。

   岐阜大学の研究チームが「納豆」と「大豆食品一般」を区別し、改めて納豆の健康効果を調べたところ、心臓病や脳卒中で死亡するリスクが2~3割低いことがわかった。一方、大豆食品一般には死亡リスクを下げる効果は認められなかった。納豆はやっぱりスゴかった。

  • このネバネバがパワーのもとだ
    このネバネバがパワーのもとだ

強力に血栓を溶かす酵素「ナットウキナーゼ」

   岐阜大学の研究結果は、米国栄養学専門誌「American Journal of Clinical Nutrition」(電子版)の2016年12月7日号に発表された。その論文要約によると、同大の永田千里教授らのチームは、「納豆には他の大豆食品にはないナットウキナーゼと呼ばれる、強力に血栓を溶かす作用のある酵素が含まれている。それなのに心血管疾患を防ぐ効果については研究されてこなかった」として、岐阜県高山市の住民が参加する「高山スタディ」と呼ばれる健康調査のデータを調べた。

   「高山スタディ」では市民たちが大学などの研究機関に協力し、医療の発展のために何年間にもわたって自分の健康データを提供している。研究チームは、1992年に高山市に住んでいた35歳以上の男女2万9175人を対象に16年間追跡し、納豆などの大豆食品を食べる頻度と心血管疾患(心臓病や脳卒中など)で死亡するリスクとの関連を調べた。

   対象者は1992年の時点で、喫煙や飲酒、運動などの習慣と過去1年間の食事内容を詳しく報告した。特に大豆食品については、納豆、豆腐、みそ、豆乳、高野豆腐、油揚げ、厚揚げなどを過去1年間でどれだけ食べたかをアンケートに答えた。その内容によって、対象者が食べた大豆食品を「納豆」「大豆たんぱく質」「大豆イソフラボン」の3つに分類した。イソフラボンは、主に大豆の胚芽部分に多く含まれているポリフェノールの一種で、女性ホルモンとよく似た働きを持つ成分だ。

健康によい大豆食品の中でも最強

   調査期間中に心血管疾患で1678人が死亡した。そのうち脳卒中が677人、308人が心臓病で死亡した。そして、喫煙や運動習慣などの要因を調整後、それぞれの大豆食品を食べた量の多さを4段階のグループに分け、死亡率を比較すると次のことがわかった。

   (1)納豆を最も多く食べていた人は、最も少なく食べていた人に比べ、心血管疾患で死亡するリスクが25%低い。

   (2)特に脳卒中の死亡率について、納豆を最も多く食べていた人は、最も少なく食べていた人に比べ、33%も低くなる。

   (3)しかし、納豆以外の大豆たんぱく質・大豆イソフラボンでは、最も多く食べていた人と最も少なく食べていた人との間では、心血管疾患で死亡するリスクに有意な差はなかった。

   (4)納豆を含む「総大豆たんぱく質」で比較すると、最も多く食べていた人は、最も少なく食べていた人に比べ、心血管疾患で死亡するリスクが25%、脳卒中で死亡するリスクが32%低くなる。

   つまり、大豆食品が健康によいといわれるが、納豆こそ最強のパワーを持っているわけだ。研究チームは「ナットウキナーゼ効果」の可能性を示唆するだけで、因果関係を明らかにしていない。ナットウキナーゼは納豆のネバネバ成分だが、そのスゴさはどこにあるのだろうか。

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   白澤卓二・順天堂大学大学院教授は、著書『ボケたくなければ、これを食べなさい 発酵・ネバネバ・雑穀類』の中で、ナットウキナーゼの効能をこう説明している(要約抜粋)。

「ナットウキナーゼは、発酵する際に微生物が作り出す『納豆オリジナル』の酵素です。血栓を防ぎ、血流循環をスムーズにして、『心臓病の薬になる』といわれるほど高い効能を持つため、酵素や栄養が体のすみずみまで行き渡ります」
「ほかにも人間の体内にあるプラスミンという酵素は、年を取るにつれ少なくなっていき、血管が硬くなって脳卒中を起こします。心臓病を引き起こす原因になるのですが、これもナットウキナーゼが補ってくれるのです」
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