2024年 5月 3日 (金)

滑り台で首がひっかかり窒息死 公園で遊ぶ子どもをこう守ろう

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安全ネットも張っていないアスレチック遊具

   一方、日本小児科学会でも2017年2月、子どもの事故を注意喚起するウェブサイト「Injury Alert」(傷害速報)で、アスレチック公園などの大型複合遊具で起きた次の事例を紹介している。

【事例1】(3歳女児・重症)。船の形をした複合型遊具で父親と遊んでいた。高さ3.5メートルの場所にある、丸太とチェーンからなる吊り橋を渡っているとすき間から転落、大腿骨を骨折した。52日間入院した。3年後に検査すると、骨折側の骨が健康な側に比べ成長が早くなる「過成長」が確認され、骨折側の大腿骨が1.2センチ長くなっていた。 丸太製の吊り橋は揺れ動く構造になっており、通常は7.5センチだが、最大時は25センチにまで広がり、女児が落ちるのに十分なすき間があった。日本小児科学会は事故に対する「コメント」でこう警告している。「この事故は『遊び方に注意しましょう』という指摘では予防できない。日本公園施設業協会の安全基準を満たしていない遊具の不備が原因だ。吊り橋の下に安全ネットも張っていなかった」

【事例2】(3歳女児・中等症)滑り台とのぼり棒を組み合わせた大型の遊具で、幼稚園児たちが遊んでいた。保育士が気づくと、3歳女児がのぼり棒の上部に首をはさんだ状態で、ダランとぶら下がっていた。急いで助け下ろすと意識はなかったが呼吸は保たれ、まもなく意識も回復した。救急搬送され、呼吸、循環、意識レベルを詳しく検査したが異常はなく、1日入院しただけで帰宅した。
遊具の上部天板は地面から約2.2メートルの高さにあり、女児は柵の間をすり抜けた際に誤って転落し、首がのぼり棒上部の水平部分と柵の間にはさまった。日本小児科学会では「コメント」でこう警告している。「のぼり棒から降りるためには柵が邪魔で、首がひっかかりやすい構造になっていた。遊具が安全基準を満たしていない」

   つまり、2つの事故とも遊具の構造に問題があったわけだ。こういう危険な遊具が多くの公園に残っているため、くれぐれも注意して子どもの遊びを見守りたい。

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