2018年 12月 13日 (木)

雪崩に「伏せろ!」は間違い ではどうすればいいのか

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   栃木県那須町で起きた雪崩に巻き込まれ、男子高校生7人と引率していた男性教諭を合わせ8人が死亡した事故が起きた。そして、その時に教諭と生徒の間で交わされたやり取りが報じられると、ツイッターなどでは、あり得ないといった声が上がった。

   引率教諭はベテランとされていたが、雪崩が起きた時に「伏せろ!」と叫び生徒を従わせたというのだ。雪崩の時はとにかく必死に逃げるのが常識であり、伏せて雪崩に飲み込まれれば助かるものも助からない、との指摘が出ている。

  • 雪崩が起きたら「伏せて」はいけない(写真はイメージ)
    雪崩が起きたら「伏せて」はいけない(写真はイメージ)

「雪崩が来たら走るんだよ、叫んで叫んで走るんだよ」

   今回の事故は2017年3月27日の午前9時20分ごろに「那須温泉ファミリースキー場」付近の標高1300メートルで起きた。栃木県高校体育連盟主催の「春山安全登山講習会」が開かれていて、県内7校の山岳部1、2年生と教員の計62人が参加していて、先頭で登っていた県立大田原高校の8人が巻き込まれ死亡し、40人が重軽傷を負った。何とも痛ましい事故だが、NHKが報じた内容でネット上の空気が一変した。

   NHK は17年3月27日夕のニュースなどで、講習会に参加し雪崩に巻き込まれた男子高校生に電話取材し、雪崩が起きた時の状況について、

「引率の教員が『伏せろ!』と声を上げた。私たちは伏せたが、体に雪をかぶった形になった」

という男子生徒の証言を放送。さらに、

「講習中に教員たちは雪崩は全く想定していない様子だった。けさ積雪がひどかったので慎重に状況を見極め、講習を中止する決定をしてほしかった」

という言葉も報じたのだ。

   大田原高校山岳部は、県の強豪で引率教員はベテランと報じられていただけに、「教員はシロウトじゃないか」「伏せたら死ぬぞ!」などといった声がツイッターなどに挙がった。「レスキュー屋」を名乗る人物は、

「雪崩が来たら走るんだよ、叫んで叫んで走るんだよ 呑まれたら泳いで泳いで、もがいてもがいて、最後に閉じ込められそうになった時に口元を覆ってエアポケット作るんだよ。 可能なら片腕は上へ突き上げて目印になる可能性に賭ける。雪崩で『伏せろ』なんて誰が提唱してるの?事実なら犯罪レベル」

などと投稿。賛同する声が多く見られる。

   本当に引率教諭と生徒の間にこのようなやり取りがあったのか、J-CASTニュースは大田原高校と県の教育委員会に3月28日に取材した。

顔が埋まれば15分から20分で窒息死する

   しかし、

「そのような話は初めて聞いたが、詳細についてはまだ分からない」(大田原高校)
    「事実確認はできていない」(教育委員会)

という返事だった。引率教員のレベルについては、

「メディアで報じられている通りです」(大田原高校)

と、ベテランで十分なキャリアを持っていた、とした。

   それでは雪崩に遭遇した場合にはどうすればいいのか、J-CASTニュースが28日に防災科学技術研究所雪氷防災研究センターに取材したところ、まず、雪崩が起きそうな場所には近づかないことが大前提、とした。さらに、雪山に登るときは雪崩が起きた場合の逃げ道を確保、確認して行くこと。そして雪崩に遭ってしまった場合は、

「伏せるのは正しい方法ではありません」

という。

   雪崩に巻き込まれた場合は体周辺の雪が固くなり、自力では抜け出せなくなるし、顔が全部埋まった場合は、15分から20分で窒息死してしまうからだ。そのため全力で逃げなければならない。流れに巻き込まれないようにし、下に逃げる場合と上に逃げる場合があり、それは状況次第だが、下に逃げれば蛇行した雪崩に飲み込まれることもあるという。複数人いた場合は、それぞれバラバラに逃げること。それは誰かが助かる可能性があるからで、助かった人は埋まった人を掘り起こす作業に移れるからだという。

「泳ぐように逃げる、という表現がありますが、それは雪をかき分け顔だけでも表面に出すよう努力する、ということなんです」

と担当者は話していた。

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