2018年 5月 27日 (日)

知能指数の高い子ほど長生きする!? 英国ならではのリアルすぎる研究

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   教育レベルや学歴の高い人は長生きをするという研究は多くある。社会的な地位が上がり、生活環境がよくなるからというのが理由だが、ズバリ、子どもの時に知能指数(IQ)が高い子ほど長生きをするという、ちょっと実もふたもない研究がまとまった。

   英エジンバラ大学のチームが子ども時代のIQのスコアが高いほど、心臓病や脳卒中、がんなどの死亡率が低くなるという研究を英国医師会誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・メディシン」(電子版)の2017年6月28日号に発表した。

  • 子ども時代の1Qが長生きに影響?
    子ども時代の1Qが長生きに影響?

IQが高いと心臓病や脳卒中の死亡率が20数%減少

   同誌に掲載された論文によると、研究チームは1936年にイングランドで生まれた6万5765人(男性3万3536人・女性3万2229人)を対象に、11歳の時に受けた知能検査の結果をもとに死亡率との関係を2015年までの79年間追跡調査した。0歳から79歳までの人生を追ったのだ。

   11歳時の知能検査の成績(IQ)は、正確さを期すために点数ではなく偏差値で表わした。偏差値は最上位から最下位までの差が約15ポイントあった。研究チームは、偏差値が1ポイント上がるごとに(あるいは下がるごとに)死亡リスクがどう違ってくるか比較した。その結果、次のことが明らかになった。

(1)IQが上位の人は下位の人に比べ、呼吸器疾患の死亡リスクが28%、心臓病が25%、脳卒中が24%、消化器疾患が18%低い。

(2)がんの死亡リスクを部位別に比較すると、IQが上位の人は下位の人に比べ、肺がんが25%、胃がんが23%、膀胱がんが19%、食道がんが15%、肝臓がんが11%、血液がんが9%低い。これらのがんはいずれも喫煙習慣に関係しており、肺がんの差が特に大きいのは、IQが高い人は喫煙率が低いからだ。一方、乳がんや前立腺がん、すい臓がんなど喫煙に関係のないがんは関連がみられなかった。

(3)また、認知症関連死と自殺のリスクを比較すると、IQが上位の人は下位の人に比べ、ともに3分の1も減少した。特に認知症では、IQのスコア(偏差値)が1ポイント上がるごとに、男性では10%ずつ、女性では24%ずつ死亡リスクが減っていった。けが(事故など)による死亡リスクも、IQが上位の人は下位の人に比べ、19%低かった。

(4)全体的に女性の方が男性より、わずかだがIQの高さによる効果が高かった。

IQの低い子は労働現場で健康被害に

   こうした結果から、子ども時代のIQが将来の死亡リスクに大きくかかわっていることが確認されたという。では、どうしてIQの良し悪しが長生きと関係あるのだろうか。研究チームは以下の点が影響しているとコメントしている。

(1)多くの研究からIQの高さは学業成績の高さと結びついている。学業成績がいいと、その後の社会的地位や生活環境の向上が保障される。

(2)IQの高い人ほど喫煙する人が少なく、アルコールを飲む量が少ない。これは、教育水準が高く、健康知識が豊富であることと、職場環境がいいことが影響している。

(3)IQスコアは遺伝的な要因にも影響される。英国では、労働者階級の子どもは高等教育を受けず、早くから男性は鉱業や造船業などの工事現場で働く。職場での喫煙率は非常に高く、有害な毒性物質が労働者の呼吸器官に悪影響を与えている。また、女性も早くからクリーニング工場など化学物質の多い工場で働くケースが多い。職場環境の違いが死亡リスクに大きな影響を与えている。

   階級差が大きいといわれる英国ならではの研究結果のようだ。

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