2024年 5月 6日 (月)

女子高生の命奪った「低酸素脳症」 脳の酸素不足は数分で重篤に

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深刻な後遺症が残るかもしれない

   NPO法人の東京高次脳機能障害協議会のサイトには、低酸素脳症となった患者の事例が複数掲載されている。そのなかで38歳男性の例では、急性心筋梗塞が原因だった。1か月間昏睡となり、10か月入院。後遺症として「失語症(言語での意思疎通は不可)・行動と感情の障害、体幹機能障害」が残った。

   当時を振り返っている家族の手記を一部抜粋しよう。

「後遺症により、言語での疎通が全く出来ず、知的面ではかなりのダメージを受けていました。その為、医療の意味がわからず全て抵抗し、大声奇声となる。そんな中、ようやく決まった転院先では、リハビリが成り立たないという理由で1日程度で退院。再度、救急病院へと戻りました」

   最終的には、受け入れてくれる医療機関が見つかったようだが、本人も家族もどれほど苦労と心配が大きかっただろうか。

   心停止で呼吸が止まった状態の人には、近くにいる人がAEDを使うことが命をつなぐうえで大きなポイントになる。何も措置を講じなければたった数分で低酸素脳症になる恐れがあり、たとえ助かってもその後に深刻な後遺症が残るかもしれないからだ。

   J-CASTヘルスケアでは2016年7月25日付記事で、日本救急医学会に取材し、次のようなコメントを得ている。

「重要なことは、原因にかかわらず、反応がなく、呼吸が普段通りでなければ、心停止を疑ってAEDを使用してみることです。判断に自信が持てないときも心肺蘇生を開始し、AEDを使ってみることを勧めています」

   AEDの使用により、症状が悪化することもないそうだ。生死を分けるわずかな時間で、ちゅうちょしている場合ではないだろう。

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